#1656 学び方を学ぶ授業のポイントまとめ
今回は、難波駿氏の著書『学び方を学ぶ授業』から得たポイントを整理していきたい。
1 学習者として考える力
・「学習者としての考え方・マインド」こそが全ての土台である。
・子どもたちが自然に学びたくなる仕掛け・関わりを心がける。
・「ネガティブ」に対する捉え方や使う言葉を変革させる。
・「学びは自分のためにする」ことを語り続ける。
・「失敗の先に成功がある」ことを語り続ける。
・テストの点数よりも、「学んだことをどう人生に生かすか」を重視させる。
2 計画を立てる力
・単元単位で子どもに任せる機会をもつ。
・悪い習慣を断ち切るために、「イフゼンプラン」を考えさせる。
・手が届きそうで、具体的な目標を設定してもらう。
・ゴールからの「逆算思考」を取り入れる。
・プランBも用意してもらう。
・優先事項を考える「4象限マトリクス」を活用する。
3 目標を設定・運用する力
・目標を決めたら、「いつ・どこで・何をするか」という行動計画を決めてもらう。
・目標を設定したら、全体で共有し、教師も友達も応援できるようにする。
・目標と現在地の間に3つの「マイルストーン」を設定してもらう。
・「➀願望」「②実現したときの結果」「③障害」「④計画」というWOOPで計画を立てさせる。
・「願望」と「目標」は違うことを語る。目標には「行動」が必要であることを伝える。
4 集中する力
・「学びのやる気レベル」を共有する。
・自己選択の場を保障する。ノートに書いても、写真を撮ってデジタルで送るようにさせる。
・課題のハードルを「全員達成が容易なライン」で設定する。
・「こだわりたい」「極めたい」と思えるような課題を出す。
・悪い習慣を引き起こす「トリガー」について、共に考える時間をもつ。
5 継続する力
・帯活動で習慣力を高める。
・いつもできない子どもができたときは、明るく反応し、インタビューしてみる。
・誘惑に負けずに学び続けられる方法を考えてもらう。
6 振り返り・メタ認知の力
・子どもの振り返りを見て、対話・質問をして掘り下げ、必要な助言をする。
・「忘れを防ぐ」「次への意欲になる」「誤ちに気づく」という振り返りのメリットを伝える。
・価値のある振り返りを取り上げ、全体で共有する。
・日々の振り返り(短期)はICTで、単元末の振り返り(長期)は紙で取り組む。
7 協働する力
・「原則友達と」学ぶようにし、「状況に応じて個別に」学んでもよいと伝える。
・学期始めのうちに、クラス全員と関わりがもてるようにする。
・共同作業をした後は、互いの「良かったところ」を振り返る時間を設ける。
・「誰と学ぶか」の重要性を語り続ける。
・「任せる」ことを基本とするが、境界線は厳しく設定する。
・「グループ」と「チーム」の違いを語る。目的・目標の共有を重視させる。
・「誰と誰を組み合わせるか」「誰をリーダーに配置するか」を教師が考え、グループ編成をする。
以上が、書籍からの学びである。
これからの時代の学校教育では、教科内容だけではなく、「学び方」がより重視されていくだろう。
学び方を学ぶ授業を志向する際に、上記のことをぜひ生かしていきたい。