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#52 自治的集団とは?
担任として子どもに指示を出したり、価値観を押し付けたりし、心理的距離が広がってしまう苦い経験をした。
ここから私は「自治的な集団をつくりたい!」と思うようになり、学級経営について学び始めた。
そもそも自治的な集団とは、どのような集団をさすのか?
私は「自分のたちの問題を自分たちで解決していける主体的な集団」と定義したい。
学校生活のことで何か問題が発生したとき、すぐ担任に「どうにかしてください」と訴えるクラス、問題を無視するクラス、互いに傷つけあうクラスは「自治的集団」とは言えない。
「先生、自分たちで話し合いたいです」「自分たちで解決してみせます」と子どもから出てくるような集団を目指したい。
そのためにはステップ(段階)が存在する。
1 緊張期
4月当初、学級開きがあり、教師も子どもも緊張している時期である。持ち上がりのクラスでない限り、担任が変わったり、クラス替えがあったりし、多少の緊張感がクラスを漂っている。
この時期は教師も子どももお互いに様子を見る段階で、影響力は少ないと言える。
例外として、4月からエンジン全開で、トップダウン型の学級経営をする教師もいる。しかしこのような教師は、恐怖で子どもを押さえつけているだけで、「集団」としてクラスを率いているとは言えない。
例外は置いておき、たいていのクラスは、この緊張期からスタートする。いわば「教師の力が低く、子どもの力も低い」時期である。
2 教師のリーダーシップ発揮期
連休明けぐらいから、徐々に担任にエンジンがかかりだし、リーダーシップを発揮していく時期になる。クラスの秩序や絆づくりを進める時期となる。
この時期に、どれだけ子どもに「信頼感」をもたせられるかが鍵となる。
「この先生にならついていきたい」「なんか俺たち、やれそう」と思ってもらえるよう、信頼関係を結んでいく。そのためにリーダーシップを発揮していく。
もちろん、遊んだり、話しかけたり、承認したりすることも不可欠である。
この時期は「教師の力が高く、子どもの力が低い」と言える。
3 子どもの自由活動増加期
クラスも安定してきて、子どもに権限を徐々に与えていく時期である。
リーダーを経験させたり、子どもだけで話し合いをさせたりし、どんどん子どもに挑戦をさせる。自由裁量の範囲をどんどん広げていく。
もちろん失敗をする時期もある。そこで担任はしっかりフォローし、必要があればリーダーシップを発揮していく。
成功体験を積み重ねさせる時期とも入れる。この時期は「教師の力が高く、子どもの力も高い」状態になる。
4 自治的集団期
挑戦、失敗、成功を繰り返し、子どもの力が高まってきたら、教師の出番は少なくなる。
何か生活上の問題があったときも、子どもは「自分たちなら!」と、解決していけるようになる。
教師は求められればアドバイスをするが、これまでのようなリーダーシップは発揮せず、見守る立場となる。
どんどん子どもたちだけで活動を進めることができ、自信をつけさせることができる。
ここまでくれば「自治的集団」と言える。この最終段階は「教師の力が低く、子どもの力が高い」と言える。これが理想である。
ここまで4つのステップをもとに、「自治的集団」とは何かについて述べてきた。次回はそのような集団をつくる上で、教師が大切にしていくべきことを書いていきたい。では。