#1899 入力と出力
教師は研修や読書により、特定の学びを入力(インプット)する。
しかし、この「入力(インプット)」で終わりにしてはいけない。
「子ども」という教育の相手に向けて、言葉を発したり、教材を示したりすることで、出力(アウトプット)するのである。
だが、教師が行った「出力(アウトプット)」で全てが終わるわけではない。
教師が行った出力行為により、子どもたちそれぞれが何らかの情報を入力することになる。
つまり、子ども個々のそれぞれの頭の中で、何らかの情報が入力されているのである。
教師が「A」という情報を出力したのに対し、ある子どもはそのまま「A」と入力されることもあれば、ある子どもは「B」という情報を入力されることもある。
このように、教師の出力は一定なのだが、その入力先である子どもの頭では多様な情報が入力されているのだ。
そして、その頭の中を可視化することは、現代の技術では不可能である。
そこで必要になるのが、子どもに「頭の中身を出力してもらう」ということだ。
ノートに書いたり、ICT機器に入力したり、言葉を発したりすることで、学びを出力するのである。
これにより、どんな情報が入力されたのを把握することができる。
こうして、子どもたちから出力された情報が、また教師のもとに入力される。
これにより、「入力→出力サイクル」が回り出す。
まとめると、
➀教師が「外部からの学び」や「子どもの出力情報」を入力する
②教師が何らかの教育行為をすることで情報を出力する
③子どもが教師からの教育行為を受けて、何らかの情報を入力する
④子どもが「自己の学び」を出力する
※また➀に戻る
というサイクルとなる。
「教育」という営みは、上記のような「入力→出力サイクル」で成り立っているのである。
だからこそ、教師は自分の頭に入力する情報を質の高いものにすべきである。
そして、自分から出力される情報も質の高いものにしていくべきである。
そうすれば、子どもたちの頭に入力される情報の質も高くなり、子どもから出力される成果も質の高いものになっていくのだ。