#1622 エージェンシーとフリーライドと相互調整学習
「変化を起こすために、自分で目標を設定し、責任をもって行動する能力」をエージェンシーと言う。
このような能力を子どもたちに身に付けてもらうためには、一斉授業を廃止し、子どもたち一人ひとりが自己調整できる学習を組織する必要がある。
それを諦め、旧態依然の一斉授業を展開してしまうと、かならず「フリーライダー」が発生してしまう。
なぜなら、自分で自己の学習を調整する必要がないので、一部の子どもがクラスメイトが生み出した成果に便乗してしまうようになるからである。
これが常態化し、フリーライダーが増殖していく。
この原因は「一斉授業」にあるのだ。
なので、子どもたち一人ひとりが自己調整学習を進めていくスタイルに変革する必要がある。
これにより、子どもたち一人ひとりが最低限の自己調整ができている状態となる。
これが実現すれば、子ども同士で以下のような学び合いができるようになるだろう。
・自分の学習だけでなく、互いの学習にも気を配る
・「自己調整」の成功体験・知識・方略を伝え合う
・分担をしたり、うまくいかない場合は助け合ったりする
・他者に改善点やアドバイスを伝え、さらなる成長を後押しする
つまり、一人ひとりが最低限の自己調整ができていると、「協働的な学び」の質も向上するのである。
このように、互いの学習の調整を行いつつ学習を進めることを「相互調整学習」と言う。
「相互調整学習」が実現している学級では、子どもたち一人ひとりが自己の学習の調整をしながら、互いの学習の調整も行うことができるのだ。
これは、「フリーライド」とは縁遠い状態であり、まさに「エージェンシー」を発揮している状態だと言えるだろう。
ぜひとも、自己調整学習と相互調整学習を実現し、子どもたちのエージェンシーを育んでいきたい。