#1875 マジックナンバー3?
読書をしていると、よく「三大原則」「3つのポイント」「三選」などの言葉が出てくる。
これは「マジックナンバー3」と言われるものだ。
人間には、「3つの情報は記憶しやすい」という性質・心理傾向がある。
これをうまく利用しているわけだ。
しかし、この「3つの情報」というのは、筆者が恣意的に選んだものにすぎない。
他にも大切にすべき要素があるが、「あえて3つに絞って」いるわけである。
なので、本当はもっと多くの情報が存在するかもしれないし、別の3つの情報が選ばれる可能性だってあったわけである。
諸々の事情があって、筆者が恣意的に「3つの情報に絞った」にすぎないのだ。
よって、書籍を読むときは、この「マジックナンバー3」を鵜呑みしてはいけないのである。
「この3つの要素だけが重要なんだ」
「この三大原則だけを重視しよう」
「この三選を知ってとても満足だ」
という状態になってはいけないのだ。
これは「マジックナンバー3」だけに限った話ではない。
「五大原則」「7つのポイント」「10カ条」など、様々な数字を使った情報提示に当てはまる。
その「数字」は筆者が便宜上、恣意的に数を絞っただけであり、「それが全て」ではないのである。
「それが全てである」と筆者が提示した情報だけを鵜呑みにすると、それ以上学ぶことがなくなり、「思考停止」になってしまうのだ。
筆者の恣意性に限定された情報だけを鵜呑みにせず、他の重要な要素にも目を向ける姿勢が必要なのである。