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#1612 オーセンティックな学習×自己学習

私は以前に下のような記事を書いた。

まさに絶賛、迷走中である。

そこで今回は、過去の記事でも取り上げた「オーセンティックな学習」と「自己学習」の組み合わせを4象限で構想してみたい。


まずは、「オーセンティックでない×自己学習でない」という組み合わせだ。

これは、いわゆる「伝統的な一斉授業」を指す。

何の文脈もない無味乾燥な知識を、一斉に子供たちに注入する。

最悪な授業の典型である。

次に、「オーセンティックな学習×自己学習でない」という組み合わせだ。

これは、教師主導の「オーセンティックな学習」となる。

生活に根ざした真正な文脈を付与し、教科等特有の「見方・考え方」の指導を重視する。

これを教師主導で一斉に行うのである。

子供たちは「学ぶ楽しさ」「学ぶ意味」を実感することができるだろう。

次に、「オーセンティックでない×自己学習」の組み合わせだ。

これは、文脈がなく無味乾燥ではあるが、学習進度表を子供に手渡し、自己調整的に学習を進めてもらう授業である。

これにより、子供たちの「自己学習力」「自己調整力」が身に付く。

最後に、「オーセンティックな学習×自己学習」の組み合わせだ。

これは実現が非常に困難であると考える。

なぜなら、「オーセンティックな文脈の付与」や「見方・考え方の指導」は教師の力に依存するからである。

なので、これらの要素を入れた、子ども主体の「自己学習」は難しいのである。

しかし、「不可能」ではないはずだ。

子供たちが自律的・自己調整的に学習を進めることができるよう、「学習進度表」を配る。

ここまでは「自己学習」と同様である。

その際に、学習進度表に「文脈」や「見方・考え方」を付与するのはどうだろうか。

あらかじめ、文脈や見方・考え方を付与できそうな時間を見極めておき、学習進度表に位置付けておく。

それをチェックポイントのようにして、教師主導で全体で確認するのである。

または、「奈良の学習法」のように、「相互学習」と「独自学習」を順番に行うのはどうだろうか。

「独自学習」のときは、「自己学習」の要素を強め、自律的な学び・自己調整的な学びを重視する。

「相互学習」のときは、「オーセンティックな学習」の要素を強め、教師主導でオーセンティックな文脈を付与したり、見方・考え方の明示的指導をしたりする。

このようにすれば「オーセンティックな学習」と「自己学習」の要素をバランスよく配分できるだろう。

ぜひ、このような折衷案も模索していきたいものである。

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