これまでにご一緒した社内監査役のさまざまなタイプ
ガバナンスでは社外役員への期待が論じられることが多いですが、社内監査役も重要ですよね。これまでお世話になってきた社内監査役の皆さんには、いろいろなタイプの方がいらっしゃいました。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
30年も監査をしていると、いろんなタイプの監査役(監査等委員、監査委員を含む)とご一緒する機会がありました。
今回は特に社内監査役について、3つの観点からタイプ分けしてみます。
👤社内監査役のタイプの違い
🔹現場との距離感が遠い方、近い方
執行部時代には剛腕をふるっていた方が、監査役になって急に穏やかになられることがあります。
「忙しいみんなに迷惑をかけないように」と、会社の現場の方々に連絡をとったりアポイントを入れることを極力少なくしようと配慮されていらっしゃいました。
タバコ部屋で待機して、来た人に話しかける、という涙ぐましい努力をされていることも。その監査役が出没されるタバコ部屋は、しばらく不人気になったようですが。
一方で、現場の責任者を次々と呼びつけて、質問したり意見する監査役も少数ですがいらっしゃいました。
🔹ガバナンス意識の違い
監査役を拝見していても、「地位が人を変えるんだなあ」と思うことがあります。
営業部門の責任者でガバナンスなど歯牙にもかけない方が、監査役に就任。どう監査役を務められるのか注目していましたが、みごとにスタンスが180度変わり、営業部門に特に厳しい監査役になられました。営業部門の責任者や担当者が考えそうなことはだいたい分かっておられるので、監査人から見てもたいへん心強い監査役でした。
さすがにガバナンス意識がまったくない監査役はいらっしゃいませんでしたが、内部監査の役割と混同されているようなケースはありました。
本社内の部門ヒアリングや事業所往査で課題を見つけ、いかに社長から評価される報告をするか、ということを気にされていた方も。
「社長を含む経営陣を監視する」という役目が抜け落ちているようでした。
🔹監査法人の指摘に対するスタンス
監査法人からの指摘事項への対応で、監査役のスタンスは大きく二つに分かれます。
一つは、「経営陣には、しっかり言っておいてくださいね」とやや投げやりなパターン。
経営陣には伝達済みとお知らせするだけで安心されることも。
もう一つは、我々の指摘を受けて現場に赴いてヒアリングしたり、経営陣と協議したりと行動いただけるパターンです。
もちろん、監査チームからも経営陣に伝えるのですが、我々の指摘を重要視していただき、改善のために力を尽くしていただける姿はとても心強く感じました。
🐣おわりに
先日、Xでこんな投稿をして、そこそこ反響があったので、監査役について書いてみようと思い立ちました。
このXの投稿にいただいた反応の中で、「執行部の主張を解説していただける監査役も頼りになる」というご意見もありました。
確かに、そのような方がいらっしゃると、監査法人だけでなく、社外役員も助かりますね。
今回はいつもよりかなり短くなりましたが、たまにはこんな回もよいでしょう。
長さについてもご意見があればお聞かせください🙇♂️
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはX/Twitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま
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