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会計士試験に合格した社会人経験者が監査法人で活躍する方法【"もうすぐ"監査ガチ勢向け】

社会人経験者は、学生合格者どもの追随を許さず活躍するために、何をしないといけないのでしょうか?


監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。

論文式試験合格者の定期採用により「同期」として入社するJ1の皆さんは、年齢差が10歳程度あるのが普通です。その経歴も、学生合格者から社会人経験者までさまざま。
今回のてりたまnoteでは、社会人経験者が監査法人に入社後に活躍する方法を考えます。

本題に入る前に、若干の留意事項です。

※社会人経験と言ってもさまざまですし、学生合格者でもアルバイトなどで社会人に匹敵する経験があるかもしれません。できるだけ汎用性のあるお話をしたいと思いますが、状況によってアレンジしてお読みください。

※私自身は前職なく監査法人に入りましたので、これまでマネジャーやパートナーとして社会人経験のあるスタッフと仕事をしたことを踏まえて書いています。

※このnote記事に限りませんが、ご異論があることは当然です。社会人経験者である読者の参考になると思いますので、ぜひコメントなどで異なるご意見をお聞かせください。



🌞社会人経験は必ずプラスになる

社会人経験は年数だけでなく、内容もさまざまですよね。
経理やITの経験が監査の現場でプラスになることは、イメージしやすいと思います。
営業職であっても、ノルマに追われる営業担当者が何を考えているか、など営業活動でのリスクに鼻が利いたりします。

さまざまな業種の経験も活かすことができます。
前職不動産業だったスタッフが事業所往査に行くときに、経理から「今回の先生は不動産に詳しいので気をつけるように」という連絡が先回りして行っていたことがありました。
クライアントから一目置かれていたということです。(これまでのスタッフは舐められていた、ということかもしれません…)


🌞実は社会人経験者のほうが高く評価されるとは限らない

社会人経験者は、前述のようなメリットを持っています。
また、社会人としてのコミュニケーションや、組織の中での身のこなし方を体得していることも多いでしょう。
さらに、基本的な仕事の進め方も分かっています。

しかし、監査スタッフはそれ以外に覚えることがたくさんあります。
そもそも監査自体、ほとんどの人にとって目新しく、受験のために勉強した監査論を下敷きに新たに学んでいくことになります。
学生合格者が新しく覚えないといけないことが100あるとすると、社会人経験者がすでに経験済みで優位性を持つものは多くて10くらいではないでしょうか。

しかも、学生合格者にも優秀な人は多いので、この10についてもすぐにキャッチアップしてきます。
最初はクライアントへの電話のかけ方すら分からなかった学生合格者が、1年後には後輩を指導していることでしょう。

このような状況なので、監査法人としても社会人経験者を特別扱いしません。最初から難しい仕事を割り当てたり、社会人経験者ということで評価を高くしたりすることもありません。
むしろ、学生合格者と横一線でスタートしてもらって、これまでの経験を活かして頭角を現すことを期待しています。


🌞どうすれば社会人経験を活かせるか?

厳しい話をしてしまいましたが、私は皆がこれまでの経験を活かして活躍できる監査業界であってほしいと思います。
そのために、個人として努力できることをいくつか挙げてみます。

🔸強みを棚卸する

「社会人経験あり」という事実だけでは不十分で、それを活かして何ができるかが問題です。
まず、どんな強みがあるのか棚卸し、それぞれの強みをどのように活かせるかを考えてみましょう。

🔸強みのブラッシュアップを続ける

せっかくの強みも、時間が経つと陳腐化してしまったり、学生合格者に追いつかれたりするかもしれません。
強みであり続けるためにはブラッシュアップが必須。数年経てば新しい知識に置き換わっているくらいの勢いがよいと思います。

🔸同期のリーダーとなる

同期を助けてあげたり、同期のまとめ役になったりすることで、マネジャーやパートナーから目立つ存在になり、頼りにもされます。
率先してリーダーの役割を担いましょう。

🔸二つ上のランク(スタッフならマネジャー)の仕事を常にイメージする

これは社会人経験者に限った話ではないのですが、「出世したければ、二つ上のランクの仕事をイメージせよ」とはよく言われることです。
優秀なスタッフでも、物事の見方や発言の内容がいつもスタッフ目線であれば、昇格を検討するときに「まだシニアスタッフには早い」と思われるかもしれません。
同期の中でシニアスタッフ目線で考えようという人たちは出てくるはずですが、それも飛び越えてマネジャー目線になることができれば差を付けられます。


🐣おわりに

8月24日のセミナーにたくさんいただいたご質問のうち、回答できていないものが多く、実は今回のてりたまnoteはそれらを一挙に回答するつもりでいました。
そう思って「監査法人としては社会人経験者にどのような期待をされていますか?」というご質問への回答を書きはじめると、あれもこれも書きたくなったので独立した記事にしました。
いただいたほかのご質問には、できるだけ別の機会に答えたいと考えています。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはX/Twitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

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