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【繊細で敏感なHSCの子育てはしんどい辛いイライラする?それとも簡単?】

HSCとは

HSCとは、Highly Sensitive Child の頭文字をとった呼び名で「ひといちばい敏感な子ども」という意味です。

HSCと言えば、どんなイメージがわいてくるでしょうか?

「よく泣く、寝ない、音やにおいに敏感、想像力が豊か、ユニーク、かんしゃく(パニック)を起こしやすい、傷つきやすい・・・」などが思い浮かぶかもしれません。

この「ひといちばいの敏感さ」という特性をもった子は5人に一人。

性差もなく、どの人種にも、動物や生き物にも一定の割合で存在します。

危機を敏感に感じ取り、慎重な行動をとるHSCは、種の存続に必要不可欠な存在だと言われています。

HSCには、4つの性質があります。

・ 深く考える
・五感が鋭い
・共感力が高い
・ あらゆる刺激をキャッチする

この特性は育て方ではなく、生まれもった性質です。どの性質が発揮されやすいかは人それぞれで、同じHSCでも個性は様々です。

また、HSCの中の約30パーセントは刺激を好み、自ら刺激をキャッチしに行く外交的な刺激追及型のHSS(High-Sensation Seeking)が存在します。

・好奇心が強く、新しい場所に行きたがる、初めての出来事を楽しむ、退屈しやすい。

・刺激に対して敏感で感度が高い上、刺激を好み自ら刺激を追い求めてキャッチしようとする。

・HSSも刺激への敏感さと弱さは、HSCの子と同様なので、エネルギー切れに一層注意が必要。


生活の中で見られるHSCの特徴

生活の中で見られるHSCとしては、以下のような姿があります。

・体が刺激に敏感:服のタグやハイネックが苦手。服の素材や着心地に敏感。
・痛みに敏感:病院の診察や注射に相当な抵抗を示す。成長痛や筋肉痛が耐え難い。
・まぶしい光、騒音、臭いに大きな影響を受け、他のことが手につかなくなる。
・一人になる時間が必要:トイレにこもる、早く家に帰りたがる。
・驚きやすく、反応が大きい:虫や人などの予期せぬ出現、突然の大きな音に驚愕する。
・2つ以上のことを同時に抱えるとパニックになりがち:「早く早く、遅刻するよ」と急かされたり、時間を区切られると一層混乱する。
・他人の気分に影響される:黙っている、ため息をつく、落ち込んでいる、怒られている人のそばにいると不安になったり、体調が悪くなったりする。
・些細な変化にもよく気が付く:天気予報を見なくても空気の変化から雨が予測できる(「湿り気が混じった空気になったから、もうすぐ雨がふる」)。「ただいま」と帰ってきた声のトーンや雰囲気だけで、親の機嫌が分かる。


HSCが持つ力

HSCは視力、聴力、嗅覚が人より発達しているというよりは、脳の感度がよく、脳が情報を徹底的に処理するというところに、特徴があるようです。

HSCではない子は感知しないような小さな刺激もキャッチし、脳内で10倍ほどに増幅されます。

また、他者に起きていることを自分に起きているように感じる神経の働き(ミラーニューロン)が活発なため、他者の喜怒哀楽が心と体にダイレクトに入ってくるのです。

これらの情報を基にHSCの学校生活を想像してみてください。

他の人は感じないレベルの刺激量が五感から入り、それらが脳内で10倍に増幅され、クラス生徒や先生の雰囲気や感情もダイレクトに入ってくる...ひといちばい敏感な特徴をもつ子どもは、外に出かけたり、学校生活に身を置くだけで、ぐったりと疲れてしまうのはこのためです。

一方、HSCは素敵な力ももっています。

・想像力が豊か:葉っぱやお地蔵さんと友達になれたり、出会ったことのない海の向こうの人たちの暮らしや困難に思いを寄せることができる。

・芸術や自然、美しいものに深く感動する:色彩の豊かさや繊細な音色に心を震わせたり、道端のきれいな花に感動し、生きる力にかえることができる。

・弱い者、困っている人に優しい:相手に対する想像力や細やかな気配りに長けているため、ひといちばい困っている人に寄り添うことができる。

・興味関心もやる気もひといちばい!:新しい取り組みや学校行事に積極的に参加し、生き生きと活動することができる。やると決めたら全力投球。

・嬉しい、楽しい、感謝の気持ちもひといちばい!:小さなこと、当たり前のことにも喜びや楽しみを見出し、人より多くの幸せを感じることができる。

よい刺激をひといちばい感じ、力にかえることができるのもHSCの特徴です。HSCはよい環境で育つとひといちばい健康で幸福感が高いという調査報告もあります。

その子らしさを大切に、個性を伸ばす子育てをしていきましょう。


HSCの子育てのポイント

① 子どもの感じ方や:「犬がしょんぼりして話しかけてきた」「夜になるとコンセントからお化けが出てくる」「この服ちくちくするから着れない」など、大人からしたら「気のせい」として片づけたくなることでも、子どもの感じていることや見えている世界を自分の基準で否定したり、軽視したりしないよう気を付けましょう。

② 気持ちを言葉にする:子どもが強い感情に圧倒されて、おさまりがつかない時には、「思うようにならなくて、嫌だったんだね。」

「どうしてもやりたかったんだね」などと、大人が気持ちを言葉にして返すと、子どもは受け止められたと感じ、だんだんと落ち着いてきます。

ネガティブな気持ちは、受け止めてもらってはじめて、自分でもその気持ちを受け止められるようになります。

また、子どもが嫌だったことやネガティブな気持ちを一方的に話すとき、大人は制止したり、子どものとらえ方を変えさせようとしがちですが、気持ちを言葉にしてゆく中で、自分の気持ちに気づいたり、客観視できるようになっていくのです。

③ 安心基地をもっておく:心の支えとなる人、モノ、事柄、場所をみつけておきましょう。

安心できる人、お気に入りのタオルケットやぬいぐるみ、没頭できる活動(本、塗り絵、写真の編集)、ここに来ると安心するという場所(散歩道、お地蔵さん、木)をみつけて、これをすると落ち着くという経験を積むことで、今度はこれをしたから大丈夫!と不安を安心に変えることができるようになります。

④ 子どものペースを尊重する:HSCの子育ての大原則。「怖い、嫌、行きたくない!」

は不安な気持ちのあらわれであり、「落ち着くまでまって」という意味でもあります。

そうした気持ちは不登校という行動であらわれることもあるかもしれません。

焦る気持ちは当然ですが、まずは、親が落ち着きましょう。本人のペースで不安を安心にかえるお手伝いをしていけば、一歩前に進めるのです。

⑤ 子育てサポーターをみつける
親だけの子育てにならないよう、周りがHSCへの理解を深めましょう。

一般的な子育て論で子どもや親を追い詰めない、目の前の子どもの姿を受け止めて理解しようとすること、親子にとって理解者が一人でもいてくれることは大きな安心となります。

HSCの子育ては普通の子育てでは経験できない面白いことがたくさんありますが、忍耐力やエネルギーもひといちばい必要です。

また、HSCを育てる大変さは周囲にはわかってもらいにくく、親の子育ての問題とみなされたり、一般的な子育てアドバイスはマイナスに作用することも多く、親子が孤立しがちです。



HSCの子育てが楽になるためには

・一般的な子育て本に書いてあることやママ友の意見を参考にしすぎない。

・他の子とくらべず、「この子はこの子でいい、私の子育ては私の子育てでいい」と自分と他人の間に境界線をひく。

・本来持っている子ども独自の力に目を向ける(ユーモアがある、愛嬌がある、粘り強い、感性豊か、ほっとけない、まっすぐ...)。

・共に考えてくれる理解者に出会う。

HSCの子育てにおいて、理解をしようと耳を傾けてくれるサポーターがひとりでもいることが大きな支えとなります。また、周囲がHSCの理解を深め、環境調整の視点を持つことが不可欠です。


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HSCの子たちは人一番不安を抱えています。特にその影響は親同士の関係性です。家族で時間を重ねて笑い合えますように。

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