望まない転勤にはノーを

この記事を読んで首が取れるほどうんうんと頷いた。

夫は単身赴任、乳児を抱えて仕事復帰し平日はワンオペをこなす女性に対して「なんもできてないね」って何事!?死ねば?いやでもすぐ死んだらその後女性の方が何かと苦労するかもしれないから、信頼できるベビーシッターを見つけて当面は困らないように手配してから、死ねば??? 

仮にこの女性がその発言により「カッとなってやった。今は後悔している」的な状況に陥ったとしても、情状酌量の余地がありすぎるため無罪にしたい。むしろ夫の方がその発言により無期懲役に値する(このシナリオではそいつはすでに死んでいるためそれは叶わないが)。めでたしめでたし。

娘が生まれてすぐくらいで会社の辞令により夫がアメリカに留学に行くことが決まり(これ自体は子供を持つ前から夫が希望してたことなので会社のせいではないし、社費留学させてもらえるのはありがたいことだと思うので良い、というか仕方ない。とりあえずこの件に関して夫や夫の会社を責めてはいない。結果的にとても良い経験になったし)、夫と一緒に渡米するか、娘と二人で日本に残り2年間(1歳~3歳という今思えば一番大変な時期)ワンオペをこなすか、という選択に迫られたのがかれこれ4年前。

夫は基本的に私が好きなようにしたらいいという感じなのでありがたかったけど、私としては後者の選択肢はマジでないなと最初から思っていた。

なぜなら、私は結婚において何よりも夫婦間の公平さ、公正さ、みたいなものを重視しているため、その点において後者は意味不明だったから。(誤解を恐れずに言えば私は育児が苦手である。今まで生きてきて大抵のことは卒なくこなしてきた気がするんだけど、育児だけはマジでスキルとか適性がないと思う。娘は当然可愛いし間違いなく大切な存在だけど、事実として仕事より育児の方がはるかにエネルギーを使うし、求められるコミットメントのレベルが高すぎる。自分の時間を奪われすぎる。)

まぁそんな事情と、私は幸い無駄に自己肯定感が高い上に超ポジティブ思考なので(両親ありがとう&ひとりっ子もいいものだよ)、仕事を一度辞めてもいくらでも就職とかできるっしょ〜という能天気すぎる読みで一旦会社を辞めたわけだけど(とは言っても2年と期限が決まってるから休職扱いにできませんかねと打診したというビビリな部分もある)、誰もが私のような能天気でおめでたい人間なわけではないし、うちの場合は家のローンとかそういう問題も一切なかったから良かったものの、家族ごとにそれぞれ事情はあるわけで何が正解かというのは全くないと思う。

と同時に、家族がいる人は事情を考慮して転勤させないけど代わりに家族がいない人を転勤させるというのも違うと思う。よく議論になる問題と一緒で、家族とか子供がいる人を優遇した結果他の人にしわ寄せがいってしまうとしたらそれは間違いなく不公平で、しわ寄せがいく側の人から不満が出るのは当然かと。

普通に自分が独身だったとしても、会社都合で訳わかんない希望もしてない地に住まされるとかはお断りだし、そんな会社で働きたいとは全く思わないというのもある。住む場所を自分で決めるって近代においては人として最低限の権利ではと思ってしまう・・・

ただ日本企業の多くが転勤や滅私奉公ありきのシステムに支えられているのも確かだし、大手企業に所属してさえいれば安泰という考え方、それを好む人がまだまだ多いのも確かだなあと思ったり。

リンクの記事内で言われてるように、”「会社に滅私奉公したところでそれに見合うメリットがない」と、多くの働き手が気づいている。”のも自分の周りの感じで言えば間違いないけど、それが世のマジョリティなのかと言われると難しいなあと思う。

最近選挙の結果も「はぁ!?」と思うことばかりだし、テレビも民放は不愉快・不適切な発言をする人が多すぎて、ポリコレポリスみたいになる自分もなんか嫌で見るの止めちゃった。自分の周りには同じような人が結構いるけど、全体的に見ればすごく少数派なんだろうな。

日本はなんだか会社のパワーが強すぎる。会社と従業員は本来対等な関係で、個人が会社の利益に貢献する代わりに(直接的では無いにせよね)会社が対価としての給料を払う、というものであるべきだなあと思う。今人材紹介業界で働いてるのもあると思うけど、仕事の選択やキャリア形成はもっと流動的で、嫌なものにはノーと言って、そして自分で選んだ道筋を選んでいけるものであると良いなあと心から思います。

このブログのタイトルを考えていて、日本の伝統文化なんだろうけどノーを突きつけたい事例はまだまだたくさんあることに気づいた。内祝いとかね!ご祝儀の新札とかね!なくなれ!今すぐ!誰得!

また時間があれば内祝いの不毛さについて書こうと思います(そのエントリーこそが不毛になりそうだけど笑)。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?