寺島佑@理学療法×自律神経×心理学
リハビリと心理学を絡めた記事を集めました。
ストレスへの対処法など、心理ストレスに関連する記事をまとめました。
コミュニケーションや対人関係に関する記事をまとめました。
幸せになる方法など、幸福と心理学にまつわる記事を集めました。
認知行動療法についての記事をまとめました。
臨床で働いていると、 患者さんの中には、なかなかリハビリに意欲的になれない…というケースも少なくありません。 「なぜこの運動が必要なのか理解してもらえない…」 「モチベーションが上がらず、自主練も全然してくれない…」 このような悩みを抱えた人も多いのではないでしょうか。 今回は学習心理学の知見を応用し、患者さんのやる気を引き出す実践的なテクニックを、行動変容ステージ別に解説していきます! 患者さんの“行動変容”が不可欠! リハビリテーションの目標は、患者さんが 身体機
毎日を忙しく過ごす人々にとって、心を落ち着かせる時間は非常に貴重です。 「疲れてぼーっとしていたら電車を乗り過ごした」 「ぼんやりしていたらネガティブな考えが溢れてきた」 なんてことはありませんか? 実は、この「ぼーっとする」ことと「瞑想する」ことは、脳の活動という点で大きく異なります。 今回は、瞑想とぼーっとする時の脳の違いを解説し、ストレス社会を生き抜くためのヒントをお伝えします。 1. デフォルトモードネットワーク(DMN)とは? まず、「デフォルトモードネッ
運動が健康に良い、ということはもはや周知の事実ですが、 他者と一緒に運動することを勧める人はあまり多くないように思います。 今回は、 高齢者の健康維持に欠かせない「運動」と、その中でも特に「誰かと一緒に運動すること」の効果について論文を元にお話しします。 最近の研究で、 他者と一緒に運動することが、機能障害や死亡率にどんな影響を与えるのかを5年間追跡調査した結果が出ました。 それでは詳しく見ていきましょう。 研究の背景と目的 高齢者にとって、適度な身体活動は心身の健康
医療従事者はうつやバーンアウトに陥りやすい、と言われています。 それは多忙な勤務形態や、感情労働といわれる仕事の特性が原因です。 心を疲弊させないためのストレス対策について、巷では様々な情報が溢れています。 その中でも、 最近話題に上ることが多くなった「空白時間」について今回は解説していきたいと思います。 空白時間・ホワイトスペースとは ホワイトスペースとは、 アメリカのコンサルティング会社CEOであるジュリエット・ファントが提唱した概念です。 彼女は、ホワイトスペー
運動がメンタルに良い影響を与えることはもはや定説になっているので、ご存知の人も多いでしょう。 アメリカ保健社会福祉省が行ったシステマティックレビューによると、 活動的な人はうつ症状の発生リスクがおよそ 15~25% 低いことを示しています。 一方で、 僕らが普段何気なく接している「自然」にもかなり大きなメンタル改善効果があることはあまり知られていません。 今回は、 運動と並んでメンタル改善に効果的と言われている森林セラピーについてご紹介します。 森林大国日本エコセラピ
日本でスマホが普及してから早15年あまり。 今や電車の中、街中、どこに行ってもスマホを片手に持っている人だらけになりました。 ネットショッピングを始め、色々と便利になった反面、今まで存在しなかった新たな問題も生まれました。 そのうちの一つがFoMO(Fear of Missing Out)と呼ばれる疾病です。 今回は自律神経にも影響を及ぼすSNSの悪影響から、 新しい疾病概念であるFoMOについて深掘りしていきます。 FoMOとは何か FoMOを直訳すると、「取り残さ
ストレス社会と言われる昨今ですが、 「何をストレスと感じるかは人によって違うんじゃないの?」と思われる人も多いんじゃないでしょうか。 それでも、何がしかの基準を作ることはできるもので、 有名なものに「社会的再適応評価尺度」または、「ライフイベント法」とも呼ばれている評価方法があります。 今回はそのご紹介。 社会的再適応評価尺度(ライフイベント法)とは日常生活に大きな変化をもたらすようなライフイベントを振り返って、 それぞれのストレス強度を数値化したものになります。 海
生きづらさを抱える人が増えている。 都市圏を中心に、心療内科の新規予約が取れないところが多い(再診優先のため)点からも、そのことが伺える。 近年、精神医学の発展に伴って、 生きづらさを説明する新しい概念が続々と生まれてきました。 今回はそうした分類を少し整理してみたいと思います。 発達障害 「大人の発達障害」 「グレーゾーン」 といった言葉が生まれたことにより、障害と言うほどではないけれど健常発達者と比べると少し能力に凹凸がある… そんな人たちが実は大勢いることが認知さ
前回の記事で、燃え尽き症候群(バーンアウト)の概要をお伝えしました。 バーンアウトは対人援助職が陥りやすいとされています。 患者や医療者との関わりが重要な役割を果たす理学療法士もまた、バーンアウトに悩まされる可能性が高いと言われています。 そこで今回は、 スペインの理学療法士を対象とした論文を基に、バーンアウトの実態とその対処方法についてお伝えしていきます。 まずは、上記参考資料である論文の詳細から。 対象評価バッテリー日本語に対応した簡易チェックが上記サイトから行え
前回は、やる気の心理学と題して前向きに自己研鑽に取り組む方法についてお話しました。 それに関連して今回は、 近年増加していると言われている燃え尽き症候群について解説していきます。 医師や看護師といった対人援助職に多いとされている燃え尽き症候群。 知らず知らずのうちに罹患している人も多いのではないでしょうか。 燃え尽き症候群の定義 燃え尽き症候群とは、 責任感を持って仕事に取り組んでいた人が、急にやる気や熱意を失くしてしまう状態のことです。 「バーンアウト」とも呼ばれ、
理学療法士として働いていると、常に自己研鑽することを求められます。 職場での研修参加が義務付けられている所もあるでしょう。 「外部研修に参加すること」が無言の圧力となっている施設もあるでしょう。 もちろん勤めている施設によると思いますが… 自分が患者の立場になったとして、 卒業以降全く勉強してこなかったセラピストに担当してもらいたい、と思う人はいません。 でも、身銭を切って勉強を続けられる人は決して多くない。 時間だって限りがあります。 家族ができれば、勉強の優先順位
理学療法✖️心理学で記事を書いている寺島です。 前回の記事では、腸&セロトニンの話をしました。 セロトニンを増やす方法の一つにマッサージがあるよ、ということはご存知だったでしょうか? 今回は、 マッサージの効果について検討した論文を元に、その効果について幅広くご紹介していきます。 対象となる疾患が多いので、興味がある部分だけ読んでもらっても大丈夫です! マッサージによる3つの効果マッサージを受けることによる生化学的な効果は主に3つあります。 ✅コルチゾールの減少 免疫
前回の記事で、 腸内環境が精神状態を左右する可能性がある、という事を解説しました。 今回は、 幸福ホルモンとして有名になったセロトニンについてさらに詳しく説明していきます。 セロトニンは腸で作られる セロトニンの90%は腸で作られる、と言われています。 そして、セロトニンは幸福に関係する神経伝達物質です。 だから腸を労われば幸福になれる!! …というほど実は単純ではないのです。 なぜなら、 「腸で作られたセロトニンは血液脳関門を通ることができない」からです。 腸で
心が疲れている時は、心に対してアプローチするのが第一と考えがちですよね。 もちろん、メンタルを整えるために心理学を学び実践することも大切ですが、 今回は別の視点からメンタルヘルスを語ってみましょう。 メンタルを整えるために腸内環境を良くした方が良いよ! というのが今回のテーマです。 心と腸は繋がっている脳腸相関、という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 「腹が立つ」 「はらわたが煮え繰り返る」 「腹の虫が治まらない」 「太っ腹」 「腹をくくる」 「腹黒い」 「腹を割っ
以前の記事で、 自分あるいは相手の性格(パーソナリティ)を理解することが対人ストレスを減らす上で有用ですよ、という話をしました。 今回は、 対人場面において取りがちな考え方や行動を指標化したモデルについて解説していきます。 その名も、対人円環モデル。 対人円環モデルとは 円環という名前の通り、 対人特性を8領域に分類し、円環状に配置することで視覚的にも対象者の対人特性を分かりやすく認識することが出来るようになっています。 それでは、 対人領域を説明する8つの特性につい
「相手の気持ちを考えなさい」 小学生の頃によく言われる言葉です。 医療系の学生になってからも、「患者さんの立場に立って考えましょう」と言われることがよくあります。 いわゆる共感、ですね。 対人コミュニケーションにおいて重要とされてきた「共感」について、 ポジティブな印象を抱いている人が多いのではないでしょうか。 ですが、 行き過ぎた共感が元で精神に不調をきたしたり、場合によっては社会的暴力を助長することもあるんです。 今回は「共感」について、 神経生理学的な視点から