気配
「そうじゃの。せっかく拾った命じゃて、大事に使うと――」
アキツカの言葉が不意に途切れ、王都のある方角を振り返った。
「むしゅ……」
次の反応したのはハンメルで、そのキノコボディを軽くナローにぶつけてきた。
「おい、まさか」
「あらあらあら」
ナローの表情が引きつった。
カディアも、困ったような笑みを浮かべ、槍を持ち直す。
剣呑な気配が、急速に迫ってきていた。
「すまんのぅ、どうやらもう、巻き込んでしもうたようじゃ」
「エンカウント率高すぎだろ、この道中!!」
ナローもまた、剣を構えるのだった。
本日はここまで。
次回、戦闘回か。