苦悶
ルーファスの提案に、ナローは唸った。
「それに、俺達を巻き込もうって言うのか?」
「ある意味では」
目の前の少女は、間違いなく国家レベルの厄介事だ。
村に小鬼の群れが攻めてきたとか、そんな話とは格が違う。
ただ、階梯者二名、それも実力は今見た通りで、人格も悪くはなさそうだ。
公言していない身分の部分が、自分達の利になるか害となるか……そこだけが、読めない。
「もちろん正体は隠すとも。髪を切り、色を染め、そうだな性別も偽ろうか」
「姫っ!?」
不敵に笑うルーファスに、アキツカが目を剥いた。
「もはや隠す気ねえよな、爺様」
ナローは力なく突っ込んだ。
本日はここまで。
おやすみなさい。