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ChatGPT(LLMs)でプログラミング教育がどう変わるか〜プレスリリースに寄せて〜
昨晩は人生初のプレスリリースにドキドキして寝付けず睡眠不足でしたが、今朝ChatGPTのPluginのニュースを見て眠気が吹き飛びました。HackforPlay開発者の寺本です。
プログラミング教育界隈の知人たちと話していても、AIの話題が出ない日はありません。「教育は、大きく変わるよね」という共通認識はありつつも、具体的に未来がどうなっていくのかは結構意見が分かれて面白いです。
僕は比較的楽観主義者なのですが、今回プレスリリースを打つにあたって、「こういう風に捉えて欲しいな」「こういう捉え方はして欲しくないな」という感情が湧いてきたので、今から言語化していきます。
先生って必要?
知人とよく意見が分かれるのは、「先生は必要か?」というテーマです。
結論から書くと、僕はAIが発展しても先生は必要だと思っています。また、ChatGPT以前と以後で、僕の中にある理想の先生像はあまり変わっていません(むしろ強化されてすらいます)。
先生の最大の仕事は、褒めること。というのが、僕がプログラミング教育を8年ほどやって、何人かの本当に素晴らしい先生と出会って行き着いた結論です。
そもそも知識を伝達する役割としての先生はインターネットが出てきた時点で役目を終えることがほとんど既定路線にあったと思います。
なぜ褒めることが必要なのかというと、褒められたら嬉しいからです。
シンプルで拍子抜けするかも知れませんが、これこそが最も重要かつ強力なロジックです。
もちろん「AIが褒めればいいのでは?」という説もあります。言語モデルに役割を与えて人間を褒めさせること自体は技術的に可能なので、人間がそれをどう受け取るか(本当に嬉しいのか)、という話になります。
これは完全に僕の憶測ですが、「AIが褒めてくれて嬉しくてどんどん学ぶ」という風に直接認識するのは、まだ現代人にとって抵抗があると思うので、認識を上手く騙してあげる必要があると思います。一種のゲーミフィケーションです。で、人間とゲーミフィケーションは棲み分け可能です。
脱線するのでここまでにしますが、興味ある人は僕に聞いてください。
プログラミング教室って必要?
次によく意見が分かれるのは、「プログラミング教室が必要なくなるんじゃないか?」というテーマです。
こちらも結論から書くと、教室の需要はなくなりません。むしろカルチャースクール的な教室は増え続けると思います。
ほとんどの人々は一人で学び続けられるほど強くありません。これは子どもも大人も同じです。
さらに子ども向けの教育においては、親がお金を払います。教室に通わせるか家でAIに任せるかの判断は、親の考え方や経済的な事情に大きく左右されます。
経済は詳しくないので省きますが、人々の可処分時間が増える(暇になる)と、教育の需要は伸びます。そして教育にかかる人件費も減るので教室事業を始めるハードルが下がります。
ちなみにここまでずっと民間の話をしてきましたが、学校教育がどうなるか(いや、どうしていくべきか)は、もっと真剣に考えていくべきですね。←これは自分に言い聞かせています…
そもそも教育って必要?
これは半分ネタですが(笑)、そもそも教育が不要になるという説もあると思います。
まあなんていうか、そもそも教育が必要だ!心から思っている人ってそんないないですよね。「学校行け」って言われたり、「将来困るぞ」って脅されて嫌々勉強することもある訳です。そういうのは、AIがやってくれるじゃんってなるので、詰め込み教育から解放されてハッピーになりそうですね。
一方で、人間には根源的に「知りたい」という欲求があるとも思っていて、本当に学びたくて(学ぶことが楽しくて)教育を受けている人たちもいる訳です。そういう人は、むしろ24時間365日AIが付き合ってくれるので、異常な速度で学んでいくでしょうね。
このテーマは上手くまとめ切れませんでしたが、要するにモチベーションが大事だよね、という事にしておきます。
実は直前にプレスリリースを書き換えた
今回のプレスリリースには「AI解説で、友人に教えて貰っているような学習体験」というサブタイトルを付けました。しかし、実は直前まで「友人」ではなく「先生」としていました。伝わりやすさを犠牲にしてでも書き換えたかった理由が2つあります。
Hallucinationについて、子どもたち・先生方に知って欲しい
ChatGPTなどのAI(総じてLLMsと呼ばれている)は技術的な課題があると言われています。「AIは嘘をつく」と耳にしたことがないでしょうか。この問題はHallucination(幻覚)と呼ばれており、使い方を工夫すれば多少軽減することは出来るものの、現在の技術(Transformer)では完全に克服することは難しいと言われています。
この問題があと何年続くのか分かりませんが、AIの普及はそれより早く、今年中にはあらゆる分野の教育でLLMsが利用されるでしょう。その時、Hallucinationについて正しく知った上で使う必要があります。つまり、現代に必要不可欠なITリテラシーと言えます。
「先生」というメタファーは、AIの生成物が正しいという誤解をユーザーに与えてしまいます。まだ研究中ですが、間違えてもおかしくないと思わせるキャラクター性を付与することで、リテラシーを養う経験値にもなるのではないかと考えています。「先生/教室はもう必要ない」とは思わないで欲しい
今回noteを書いた理由でもありますが、プレスリリースを見て「じゃあもう先生必要ないのでは」と思われる方がもしかするといるかも知れません。それは不本意なので、ぜひ訂正させてください。
先生も教室も教育には必要というのが、弊社のスタンスです。これはAIが進化してマルチモーダルになってもHallucinationが解決されてもロボットにAIが搭載されても変わりません。ただし、その役割は変わるでしょう。
それが今回のnoteで伝えたかったことです。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。もし良ければ、シェアしていただけると助かります。まだご覧になられていない方は、ぜひプレスリリースの方もご覧ください。
すべての人々が、プログラミングを好きになれる日が来ますように。