アート独り言。(みえないけど、みえる)
今日の撮影は、視覚障がいの方の撮影ということもあり、かなり緊張していた。
以前、盲学校は取材で伺ったことがあるが何故だかドキドキが止まらなかった。そんな時に友人からの何気ないメールで心が休まる。
同行してくださったサポーターさんは、幼少期からずっとの彼女のサポーターをされていたということで少しホッとした。
「はじめまして~」
玄関にはお母様が出迎えてくれる。
ふと壁に目をやると、美輪明宏さんとの巨大なツーショット写真。
「あっ!!」
サポーターさんが私の声に驚く。私はお逢いしたことないと言ってたが、写真を見て他の展覧会や盲学校でお見かけしたことがあることを思い出した。
「はじめまして~」
握手の手がのびてきたので、今日はグーにしましょうか、というとそうだった~と笑顔がこぼれた。
壁には天皇陛下、秋篠宮さま、美輪明宏さんとの写真や、著名人のサインが沢山。トロフィーも沢山並んでいた。
彼女は、視覚の他に、四肢が曲がっていたり、さまざまなハンディを抱えている。それでも、短大を出て音楽の仕事をしたりリサイタルなどを開いている。
今日の撮影の目的は展覧会用の作品制作と、作品につける音楽の演奏だった。
段ボールリレーを行っていて、さまざまな団体の方が作った作品にさらに手をくわえていく。
「テラマキさん、時間大丈夫?」
私が早く帰らなければならないのではないかと気にかけてくれていた。
細かいビーズを沢山持っていて、アクセサリーを作るらしい。彼女は全盲だが、キラキラしたものがわかるらしい。ほぼ見えない状態で、細いテグスにビーズを通すと聞いて驚いた。
全て指が頼り。いろんな所を触って確認していた。
「ちゃんと色の配色や、ビーズの並び方も考えながらやりますね」
器用にビーズをあしらっていく・・・
サポーターさんは、ここが何も描かれてない場所です、こっちには紙が貼ってあるから、つかないかなあ?と言葉でずっと説明していた。
「あれ、撮ってる?変な顔しないようにしますね」
私はカメラをサイレントモードにしてしまっていたので撮影されていることが伝わってなかった。その上、緊張のあまりほぼしゃべれず黙々と撮影していた。
「なんか、テラマキさん、素敵ね」
ど緊張してる私を和ませようと、色々話しかけてくださった。とても明るく、気さくだった。
1時間ほど制作して休憩。デジタルフォトフレームを眺めていたら、シンガポールやタイ、バンクーバーで演奏した話をしてくれた。
ワールドワイドに活躍されて、バンクーバーのピアノオリンピックでは銅賞を受賞されていた。
美輪明宏さんの大ファンで、フジテレビの収録のときに話す時間を取ってくれた、めちゃくちゃいい人だった、緊張のあまり今日も髪が黄色ですねと言ってしまった、同じ誕生日だと伝えたら「お気の毒に~」と言われたことを笑いながら話してくれた。
最後はピアノの演奏。別の方が書いた詩に、曲をつけてくれた。そのあと、サポーターさんが、即興をお願いすると
「え~なにそれ、やったことない~」
笑いながら、いきなり素敵な音楽をひきはじめた。ずっと聞いていたい演奏だった。
最近は耳鳴りで悩まれてると聞き、私もストレスが重なると突発性難聴で耳が聞こえなくなったり酷い耳鳴りするんです、ストレス溜めないのが良いですよ、と話したら仲間だ~とニッコリ。
「凄く楽しかった、心の保養になりました~嬉しい」
ほとんど話せなかったけど、とても喜んでくれた。
慣れた頃には帰らなくてはならない。
ちょっぴりセンチメンタルになりながら、猫砂を買って帰るのであった。
今回撮影したものはこちらの展覧会で見ることが出来ます。
わくわく惑星~みんなでつくる空想の星
2021/6/12より。
ぎふ清流文化プラザ。
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