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アート独り言。(AAIC2023~リアルのゆくえ)※追記しました
清流の国ぎふ芸術Art Award IN THE CUBE(以下AAIC)が開幕した。3年に一回開催される展覧会。今回は初日にお邪魔した。
岐阜県美術館に到着すると、オープニングセレモニーが終わった直後で、テレビ局がいたり知事が鑑賞されていた。
到着してすぐに、身体企画ユニット ヨハクさんのパフォーマンスが始まったので、鑑賞。
この後、アーティストに直接質問できるアートツアーに参加。
作品をじっくりと鑑賞は出来なかったが、アーティストの言葉を直接聞くことの出来る貴重な機会。
ボランティアで参加していた方も、勉強の為に数名参加されていた。
以下簡単に聞いたことや私なりの感想をまとめたので、ぜひ実物を鑑賞していただけたらと思います。あまり聞いてしまうと楽しくなくなってしまうという方はここで一旦お疲れさまでした。
(敬称略)
○Melting Hida Mountains/千葉 麻十佳
今回の大賞受賞作品。太陽光を使って火山石を溶かすという試み。膨大な調査量と、条件が整わないと完成しない作品。マグマの上に立って今自分の立っている場所がどうなっているのかを考える機会になる。反対側に溶けた火山石が展示されている。映像だけでなく、音もしっかりと収録されていて、宇宙空間では壮大なことが起きている、そこにぽつんと立っているちっぽけな自分を感じた。
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○サカサゴト/岡 ともみ
別の展覧会で興味を持っていた作家さんなので作品を見れてうれしい。文字盤が反転した古時計。大切な人を送り出すときに、自分はどう送るのだろうか。じっくりと鑑賞する時間はなかったので、一人でゆっくりと鑑賞したい。古時計の中には小さな映像作品もあり、それぞれコンセプトがある。
あの世かこの世かわからない世界。リアルに感じる瞬間を作品を鑑賞しながら模索したい。
追記:後日じっくりと鑑賞。一つずつ儀式のようなものがあり、丁寧にゆっくりと送り出すイメージをしてみた。
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○JK in the street./イナガキ モモ
ゆっくり鑑賞する時間がなかったのが残念だったが、改めて鑑賞したい作品。コロナ渦で思うような学生生活が送れなかった学生を代表し、日常をリアルに映像作品として展示されていた。
映像を制作することで、自己分析もしっかりされている。私自身も映像作品を制作することで自分がちゃんと生きていることを再確認しているので、しっかりと最後まで鑑賞したい。
追記:後日全て鑑賞。普通の女子高生の今、リアルが映し出されている。キューブの中に展示することにより、より息苦しさが伝わる。
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○One room/山本 雄教
CUBEの中にびっしりと敷き詰められた1円硬貨。(貨幣ルールは守られている)お金ではなく物質ととらえてみる、新しい体験が出来る。最初は少しためらってしまうが、中に入って鑑賞すると、同じ硬貨であっても色や傷の入り方などさまざまな人の生活が感じられる空間。
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○触れるもの、絶対に触れないもの/柴田 美智子
自身が体験した箱庭療法をもとに制作されている。パッと見た感じだと複数のサルがとてもしょんぼりしてみえる。そして腕が欠損したものもいる。
欠損は不完全のを表現しているとお話されていたが、物質的には不完全であっても私にはそうは見えなかった。むしろ、欠損した部分にリアルを感じていた。不完全がダメなのではなく、生きているリアルさを感じる。
これを見て何かやってみたいと思ってもらえたら嬉しいとお話されていた。
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○バベルのランドスケープ/ゲンゴロウ(ISHIBASHI Tomoya+NIIKURA Kento)
認知科学に基づき、景色にある直線などから文字や文章を構成する作品。
初めて見たときはゾッとしてしまった・・・
普段見ている景色を見ていると線が浮かんで文字が浮かんできてしまうのだろうか?そう考えると少し恐ろしかった。しかしそうではなく、認知科学の研究過程で制作されているとのこと。普段見ている景色で、文字や文を自然と頭の中に浮かべているのかもしれないと思ったらとてつもなく面白い作品に見えてきた。
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○INTER-WORLD/SPHERE: Over The Cube/奥中 章人
緑の髪が印象的な作家さん。とてつもなく難しい哲学で作られた作品だけれども、まずは体験してほしいとのことだった。
時間や天気、時間の経過などで見え方が変わってくる繊細な特殊フィルムで作られた空間。こちらも時間がなくて中には入れなかったが、中に入ってゴロゴロしたい。
追記:後日、ウォーターベッドにゴロンしてきた。癒された。
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○アンブレラ種/florian gadenne+miki okubo
中に入ると真っ赤な空間。中に展示されている絵画はただ描いているだけでではなく、生態系を調べつくして描かれているものだった。とても緻密に描かれている。環境について考えされられるインスタレーションも印象的、CUBEの外側にはドローイング。ボランティアで参加した隣のCUBEで、ドローイングされているところを見ることが出来たが、ほぼ一筆描きのような感じで圧倒された。
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○石と柵 岐阜/大西 康明
河原をトレースするという発想がもうすでに圧倒される。みんなに頑張ったねと言われますと話していたが、制作は想像を絶する。
基板に使う銅箔で錆防止加工されていないものを使用されていたが、とても美しいグラデーションカラーだった。
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○ネットショッピング/北川純
ボランティアで少しだけ制作参加した作品という事もあり、完成した作品を観て感動した。コロナ渦によって使用頻度が倍増したネットショッピング。決してネットショッピングが好きなのではなく、山積みされた段ボールにおびやかされているのではないか?と思って制作した作品なのが面白い。
シュリンク梱包された気分が体験できるので、荷物の気持ちがわかるのかもしれない。
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○橋の形/古屋 崇久
こちらも制作過程を少し見せていただいていた。びっしりと付けられた市松模様が圧巻。スタンプのようなもので押していく感じだった。心が乱れたら出来ない・・・
橋を入念にリサーチして作られていた。裏側にまわって、忠節橋のカケラを鑑賞してほしい。
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○身体企画ユニット ヨハク
こちらは制作補助ボランティアとして参加し、キューブの中のグリッド(黒い線)を引くお手伝いをしたので、とても楽しみだった。
6人の視点それぞれが映像として同時に投影され、同じ場所同じ時間でも全く見え方が違っていた。映像作品だけでも十分に楽しめるのだが、パフォーマンスと一緒に鑑賞することをおススメする。
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○NAGAMERU/小孫 哲太郎
セロテープである。たかがセロテープ、されどセロテープ。一人でゆっくり鑑賞してくださいとお話されていた。
お話が上手くないので伝わらないかもしれないけれど・・・とお話されていたが、一番心に刺さった作品だった。
鉄板を持ち上げてしまうセロテープの強度にも驚いた。
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追記
○Aftereal6/千田 泰広
中に入るとまさに異空間。紫外線で発光した糸、残像。奥行きが半端なく、キューブ空間にいることを忘れてしまう。
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個人的主観で書いたので、ぜひ実物を鑑賞してほしい。
岐阜県美術館、6/18まで。