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撮影こぼれ話。(相利共生、ビバ羊。前編)
⚫ふしぎな世界
⚫羊にタッチ
ふしぎな世界
2018年。グループ展用の映像制作。
「動物」をテーマとした二人展「純情動物園」に参加させていただくことになっていた。
メイン作家の奥村晃史さんは岐阜でも有名な画家。
奥村先生の不思議な世界観を壊さないよう、映像とダンスのコラボレーションを計画していた。
奥村先生の絵は動物といっても主に「家畜」。
動物たちがキンピカの座布団に座っていたり、靴下をはいてオシャレにしていたり可愛らしい不思議な世界。
何度か先生に絵について尋ねてみた。
先生が掲載されているアート雑誌を読んだり、直接資料も沢山いただいた。
(写真は2018年岐阜アートフォーラム 純情動物園より)
しかし。
考えれば考えるほどわからなくなってくる。
動物、家畜、人間・・・
近い関係性、なくてはならない存在???
制作には長い時間がかかる。
もうギリギリの状況で正直に先生に話した。
「どうしたらいいかわからなくなってしまいました。」
すると先生は
「ん~あまり難しく考えなくて大丈夫ですよ。まずは羊に触ってみるといいですよ」
確か先生も絵を描く前に動物に触れてみたり見に行くことをされているといただいた資料にあった。
そうか、私は羊に触ってないからわからないのだ!
羊にタッチ
すぐに岐阜市北部にある「畜産センター」に向かう。お目当ての家畜たちは勢揃いしている。
飼育係の方に羊を触らせてもらうようお願いしてみた。
「えっ?羊にさわる?ダメですよ。病気になったりするから触ってはダメですよ」
なんと、あっさりNGをくらってしまった。
いやここで諦めるわけにはいかない。しつこく聞いてみたけどやっぱりダメだった。
しかし飼育係の方は羊の毛は真夏でも通気性が良くてそんなに暑くないんですよ、と羊の事を沢山お話してくれました。
暑いし、なんかお土産でも買って帰ろう。
目の前には刈り取られた羊の毛が売られていた。
洗浄もされていて、羊毛フェルトみたいに使えるかな、と2袋購入。
飼育係の方に深々と頭をさげ、帰る前に袋の中の羊毛を触ってみた。
柔らかい。。。すると雷にうたれたような衝撃と古いCMのワンフレーズが頭の中に流れた。
「触ってごらん。ウールだよ」
これだぁぁああああ!!!!
このCM、天才すぎる。