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音楽独り言。(ワダツミ、奄美、本能的にノスタルジー)

元ちとせさんのワダツミの木。
昨年、生で聴く機会があった。

「ある女性が、人を好きになるあまり花になってしまう」

そんな歌。

独特の歌い方とは裏腹に、とてもキュートな一面も持っていた。
彼女は、奄美大島出身。
ライブのMCで、奄美大島での生活を面白おかしく話していた。

大自然で育ち、伸びやかに美しい歌声を育んでこられた事が容易に想像出来る。
奄美大島といえば青い海、マングローブを思い浮かべる。一度は行ってみたい場所。

ライブの数日後、展覧会の打ち合わせがあり、彫刻家の先生とお話していた。偶然にも元ちとせさんの話が出た。

ラジオで元ちとせさんが「私は奄美大島出身です」と堂々と話した時に、日本中の奄美出身者が奄美出身を隠さなくてもよいのだ、と涙したというお話だった。(奄美差別に関してはここでは割愛する)

ワダツミの木は2002年に発表された曲。
子育て真っ盛りな私は音楽から遠ざかっていた。
偶然見たテレビの音楽番組からイントロが流れた瞬間、ある人を思い出した。

テロップには、「ワダツミの木 作詞作曲 上田現」

学生時代、とても好きだったのでイントロの曲調ですぐにわかった。

バンドを脱退し、初プロデュースが大ヒットとはさすがだ。音楽の素晴らしさに、テレビを見ながら泣いていた。
私は彼の破天荒で少年のようなところが大好きだった。不安や恐怖、愛情など様々な感情が入り乱れている音楽。

宇宙犬ライカや、チベットの謎、マレーシアの不思議な食べ物。
独特のリズム、キーボード、サックスにノスタルジー炸裂の歌詞。
学生時代、まだ何にも知らない子供だった私にはとにかく刺激的であった。


ワダツミの木発表から数年後、肺癌により現ちゃんは旅立った。

最後に書いた彼のWeb日記には映画「追悼のざわめき」デジタルリマスター用に楽曲を書き下ろした事について書いてあった。

版権問題でオリジナルが使用不可のため、映画用に新たに作曲していたのだ。

「一旦完成している作品に音を乗せる作業は本当に難しい。幽霊と戦うようなものだ。どんな風に作ってみてもオリジナルの呪縛からは逃れる事が出来ない。」

「どんな地獄にも優しい光をあて、美しく映像にする松井監督」
現ちゃんの映画の感想に、少し心惹かれてはいるものの、なかなか観る勇気が出ない。

あらすじ読んだだけでしんどい。
決してオススメはしない。
でも音楽が聞きたい。


予告だけで、震える。
会田誠さんの肩書き、好きすぎる。
結局、映画の事を書いている。
まとまりがないまま、終わる。

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