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ただいま成長中

海開きも終わり、夏本番の海士町。
最近の寺子屋では、校舎前の寺子屋ファームが賑やかな実りを見せています。

拓くよろこび、育てるたのしみ、食べてもらうしあわせ

時は戻って、緑風が心地よい5月。
初夏というのに厳しい日差しが照りつけ、早くも夏の到来を予感させる某日のこと。
校舎前の草むら(と化した畑)を耕して、今年度の寺子屋ファームが始動しました。

畑仕事に漠然と憧れを持っていた私は、どれだけ体力がいるかも知らず、しょっぱなから圧倒されっぱなし。。

汗だくになりながら、草木の根を刈っては端に除けて。
初めて触った耕運機も、苦手な畝立てもぎこちないけれど、少しずつほぐされてゆく地面に、自分たちで拓いていく感覚に静かな達成感を持ちながら、島でとれた牡蠣殻を砕いて撒いていきました。

種を蒔いた日

出来上がった畑は、それぞれ一人一畝を受け持つことに。
私が担当した「おかひじき」は、正直あまり馴染みのない食材でしたが、毎日水をあげ、草をとり続けていたら、次第にかわいらしい芽がぽつぽつと顔を出してくれるようになりました。

6月。
頑張れがんばれと声をかけながら毎日の成長を見守る中で、それに呼応するかのようにぐんぐん伸びていったおかひじき。
体感的には、人間の学習における成長曲線のグラフのように、ある時から勢いよく茂っていったような気がします。”そのとき”に向けて、ずっとエネルギーをため込んでいたのかなぁ。

初めての野菜と、初めての畑仕事。手をかければかけるほど相手も呼応してくれる、、、のかはまだわからないけれど、作物を育てる楽しみを知ることができました。

6月23日撮影

7月。
順調に育っていったおかひじきに、離島キッチンデビューの話が舞い込みました。
なんてったって世間での存在感は控えめな食材。まずはお造りのあしらいとしてお客様に提供させていただきました。
うつわを彩る一員になれたことが純粋にうれしく、お客様からご質問いただいたり、シャキシャキ感がおいしいというコメントを頂戴しては、もっと多くの方々に食べてもらいたいなという気持ちが強まりました。

また、授業の一環で、自分たちがお客様の立場として離島キッチンの料理を食べる機会があり、自分が育てた食材を調理してもらうことの幸せも知りました。うわ、めっちゃうれしい…!
寺子屋ファームのおかげで、生産者の方々の気持ちをほんの少し理解できたかもしれません。私もおいしい食材をおいしいまま調理できるようになるぞ…!

彼らの成長は現在もとどまるところを知らず。慈雨を浴びてはすくすく育ち、わさわさと茂みは膨らんでいます。それはもう両隣の畝に覆い被さんばかり。

島食の寺子屋ファーム産おかひじき、「しゃん山」店頭に並びます!

そんななか、今月20日から、おかひじきを島の野菜直売所「しゃん山」さんで取り扱っていただけることになりました。

楽しみ方はいろいろです。
おひたしや酢の物などは、シャキシャキとした歯ごたえを楽しむため、熱湯でさっと湯がき、氷水で急冷してから調理するのがおすすめです(指で簡単に折れない硬い軸はあらかじめ取り除いてください。)。
カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンC等がバランスよく含まれているほか、βカロテンが豊富なため、かき揚げや炒め物などの油を使う料理にももってこいです。

(調理例)おかひじきと大根の梅和え

短い販売期間となると思いますが、海士町の皆さんに新鮮なおかひじきをお届けできたらと思います。
どうぞよろしくお願いします!

(文:島食の寺子屋生徒 嶋村)