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島食の留学弁当(2024.11.29)

生徒たちだけでお品書きを考え、
仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度 島食の留学弁当の晩秋編第1弾!今回のお弁当のお勧めや、自分たちなりにチャレンジしたことなどを話してもらいました。

左から 前田、冨田、河野

今回のお弁当のテーマは?

河野:
テーマは「海士の晩秋」です。
お弁当を食べる方に感じてもらいたいことってなんだろうね、
ということを最初に考えました。

3人それぞれがこの季節のお弁当を表現するとして、どういうことを具体的に食べて感じてもらいたいかなというふうに。

私は10月と11月は秋っていう一括りにされているけど、実際は違うんだなって最近感じていて。微妙なグラデーションのところを、お弁当で表現したいと思って。

秋の色とか、秋のホクホクした食材とか、香ばしさみたいなことを感じてもらいたいのと。あと、冬の食材の滋味深い味とか、風の中に感じる冬の気配みたいなものとかを感じてほしいなと思いました。

前田:
10月11月と、どんどん冬が近づいてきていて。
お弁当自体は食べるときに冷たい状態だとは思うんですけど、お昼ご飯をみんなで囲んで食べる時とかに、ほっと落ち着く温かさを温度以外の方法で感じてもらいたくて、色々と工夫をしました。

冨田:
絶対に季節を感じさせたい!それだけです(笑)
開いて幸せな気持ちになる!も。

あとは、メインは脂ののった鰤?丸子?です!
いま、みんなで魚を捌いていて一番驚くものです。

前田:
今回のお弁当のメインテーマを「脂ののった魚」にしようと思いたいくらいで。でも、海が時化ていたり、定置網が網のメンテナンスに入ってしまったりで、魚が手に入らないことも考えておいてと先生に言われた時には、どうしようって思っていたんですけど。

奇跡的に単発で魚が手に入って。それをお弁当に入れて皆さんに味わって頂けるようになったのが嬉しいです。


前回の留学弁当から、沢山の実践授業を経験してきました。
前回の留学弁当と違う自分は?

冨田:
前回は、見たことあるような知っている料理をメニューにしていたけど、今回は全く知らないし作ったこともないメニューに挑戦してます。
「卯の花まぶし」って知ってますか? 知らないですよね。

やり方も分からないものに挑戦するようになりました!

前田:
前回のときは、五味のバランスとか色合いとか考えたら、「あとは、とりあえず酸味のものを足したらいいのかな。」みたいな感じでやってみて、実際に食べてみたら、まとまりのないものに仕上がっていたり。

経験も殆どないし、作ったことがないものが多くて、とりあえず自分たちの作りたいものを盛り込んで、なんとか最終的にひとつのテーマに決めていましたけど、統一感というものには程遠かったと思っていて。

でも、今回はこれまでの実践を通して、自分の求めている料理の味というのが大体イメージできるから、それを一つの弁当に詰めた時に、どこを変えたらいいのかなというのが、前よりもスムーズに考えられるようになりました。

河野:
実践を通して積み重なってきたなと思うのは、食材の味がわかるようになってきたことかな。

この野菜だったらこういう味だから、それを活かした調理法はこうだなとか。これとこれの素材の味をミックスさせるなら、って想像ができるようになったなというのがひとつと。

あとは、お弁当も会席料理も、何回もやってきて、だいたいこれ位の量を1人前用意しておけば、大丈夫そうだなって分かってきたり。前回だったら、これを実際にやってみて、スカスカに仕上がったらどうしようって、当日に詰め終わるまでドキドキだったんですけど、今回はそこの心配はないかな~って。

今のところ(笑)

あとは、仕込みのときに、こういう行程を、どういう手順で、何人の人に手伝いをお願いしたら大丈夫だね、というところもイメージ通りにできている気がします。


最後に食べ手の皆さんに一言。

冨田:
秋と冬を、いっぱい季節を感じてください!

前田:
本当に毎日寒いので、皆さん風邪に気を付けて、お弁当を食べて元気に午後も過ごしてくれたら嬉しいです。

河野:
お弁当の中に、馴染みのある食材だけど、ちょっと変わった食べ方みたいなものを入れているので、楽しんでいただけたら嬉しいです。


番外編 「晩秋の思い出は?」

冨田:
お芋が出てきたことと、葉っぱの色が赤っぽくなってきたこと。
海士は紅葉がないって言われてますけど、外を原付で走ってたら、山の色も全然変わってくるし。

学校の横の桜の木も葉っぱの色が変わってきている、最近なんてもう散ってしまってます。私はここの桜の木の風景が好きやから、変わっていく様子を見て寂しくて泣きそうです(笑)

前田:
実践が重なったあとにみんなで秋晴れの日に、秋の収穫をしたのが楽しくて。フユビをとったり、グミをとったり、秋の実りを感じて、すごく楽しかったです。

河野:
ひとつは、柿の葉っぱって、どんどん秋が深まると秋が深まるんだ、ってことをこっちに来て初めて知ったことと。

もうひとつは、夕方に山道を自転車で走っているとき。
「秋は夕暮れ」って枕草子で言うじゃないですか。本当に夕焼けが綺麗で、感動しました。

(収録:2024年11月27日 放課後@島食の寺子屋校舎)