島食の留学弁当(2024.12.20 年内FINAL)
生徒たちだけでお品書きを考え、
仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度 島食の留学弁当のファイナル!生徒全員でお品書きを作りました。今回のお弁当のお勧めや、自分たちなりにチャレンジしたことなどを話してもらいました。
まず最初に。どのような意気込みで今回のお弁当に臨もう、みたいな話はありましたか?
前田:
今回は今年最後の留学弁当ということもありますし、生徒みんなでお弁当を仕上げるというので、自分は卒業制作弁当みたいだなと思っています。
これまで、みんながそれぞれ学んできたことだったり、色んな生産者の方と関わって食材のことについて学んだことを、ひとつのお弁当にしたいなと想いが個人的にありました。
みんなで話した時は、師走の時期ということで、
食べて頂く皆さんに「自分へのご褒美弁当」というテーマを掲げて、
担当それぞれでお品書きを考えました。
それぞれの担当はどのように分かれて決めましたか?
前田:
やりたいところを自分でやりたいって立候補して決めて、すんなり決まりました。お弁当に4部屋あるとしたら、八寸が2つの部屋があって、ご飯で1部屋・焚き合わせで1部屋の合計4つの部屋に分かれて、入りたい部屋に入った感じです。
弁当箱の中のそれぞれの部屋の特徴を教えてください。
小澤:
焚き合わせの部屋は、いつもなら数種類の野菜を組み合わせる焚き合わせが今までやってきたやり方なんですけど、一個ものの焚き合わせをやってみようということで、今回は豆腐揚げ饅頭を考えました。
いつも、魚が多くなりがちなので、魚を使わないちょっと精進料理的なものをやってみようということで、ちょっと卵は使っちゃっているんですけど、素材を活かしたものを作ろうということにしました。
餡をかけるんですけど、それに煎り米の香りをつけたりとか、それに熟し柿を甘さの代わりに使ったり、素材の味を活かすようにとにかく心がけました。
前田:
八寸の部屋は、色んなおかずを盛り合わせたお部屋になっております。
今ある旬のもので、美味しかったものを皆さんに食べて頂きたいなと思って。イモガツオが最近大敷きに沢山入っているんですけど、お刺身として食べた時にすごく脂がのっていて美味しくて。ただ、お弁当だとお刺身として食べて頂くことができないので、なんとか別の形でということで、今回は梅にんにくで甘辛く焚いているものにしています。
もう一つは、里芋のこじょうゆ和えなんですけど、いつものこじょうゆ和えは、食材を切って下味とかつけて全体にこじょうゆをまとわせて作るんですけど。今回は里芋を昆布だしで焚いて揚げた上に、こじょうゆを和えた蕪を載せています。
こうした背景には、このあいだ卒業生の武田さんが来て下さった時に、出汁の授業をしてくださったことがあって。
私たちは今までの授業で鰹昆布だしをメインにやってきて、それしかないって思い込んでいたんですけど、武田さんが昆布だしで食材の旨味を引き出すということを重点的に教えてくださって。
武田さんのお話を伺って、色んな野菜の味を知ってから調理をするという、私が忘れていた寺子屋の原点を思い出させて頂いて。最近は、自分が作りたいと思ったものを作りたい味で調理するみたいなことが多かったんですけど、武田さんが「人参を食べてから大根食べてから、この食材はこういう切り方をしよう」って仰っていて。すごい大事なことを改めて教えてもらったなと思って。なので、今回は食材を食べてから、調理法も合わせてみて、今の旬の食材を美味しく食べて頂けるように色々と工夫をしてみました。
小松:
もうひとつの八寸の部屋を担当しました。
こちらの部屋で一番力を入れたのは、隠岐牛の肉豆腐を作ることです。
ご褒美弁当らしく、お肉を楽しんでもらえるように考えました。
最近、販売が始まったばかりで美味しい、まきはたさんの牛乳を活かしたものを作るということで、坂元がたくさん試作を繰り返していて、ベストなものを出して、海士町の新たな食材を楽しんでもらえるように料理をしたいと思っています。
冨田:
別館の冨田です。
最年少なのであまりそんなに考えてないですけど、今まで2種のご飯が一回で出すご飯の種類で多かったんですけど。今回は3種にして、それがご褒美かなって。一度のお弁当で3種類ものご飯を食べることはあまりないので。
おむすびが3種類で。
ひとつは山中さんのお米で。それが精米のレベルが美白米みたいになっていて、いつもよりつやっと白さが際立っているものになっています。山中さんのお家でご馳走になった時に、たまたま夕食で出ていたもので、美味しそうだったので使わせて頂きました!本当にきらきらしていて艶々しています。
2つ目のおむすびは、里芋の炊き込みご飯、3つ目はおむ「酢」び、ちらし寿司風になっています。3種類全部違う味で楽しめるはずです!
~番外編~ 年末年始はどのように過ごしますか?
冨田:
私は年始まで鳥米さんでお節のお手伝いをして、そのあとは現実的なんですけど、もともと働いていたところで少し稼いでから島に帰ってきます。
小松:
わたしは31日まで鳥米さんでお節のお手伝いをしてから実家に帰って。
これまでボランティアをしていた農園に行って、またみんなと集まったり作業をしたりですね。あとは、物件を見たり就職活動をしたりしながら島に帰ってきます。初詣で出雲大社に寄って帰ってきます。
前田:
年始は気になっている旅館のところで少しお手伝いさせてもらって、その後に武田先輩がいるBricoleで美味しいご飯を食べて。それで、私が料理の道に進もうと思ったきっかけになった、長崎の雲仙にある「タネト」っていう野菜直売所に行って、色んな野菜を見たりお世話になった方と色々お話して、残りの寺子屋生活をどう過ごすか考えたいです。
小澤:
私は年末に辰巳屋へお節の手伝いにいって、年始は鳥米さんに少しお手伝いに入ります。それから実家に帰って、ゆっくりしてこっちにそのまま戻ってきます。あ、その前に地元から神戸への飛行機が安い路線があって、姫路に立ち寄ります。
それでは、皆さま良いお年を!!
(収録:2024年12月18日@島食の寺子屋 校舎 放課後)