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日本人が英語を話せない、隠れた理由に気がついた。
なにがなんでも英語を話せるようになって、日本に帰ろう。
日本を飛び立つ前、わたしは自分自身とそう約束した。日本を飛び立つ前のわたしの英語レベルは、典型的な日本人レベルだったと思う。四大卒でも、こんなもんかって感じだ。
今まで、海外にもちょこちょこと行っていたけれど、ほんの少しの英語とボディランゲージで、なんとかやって来れてしまったのだ。
海外生活を経験したにも関わらず、英語が話せないままの自分はイヤだ……!
渡英の数ヶ月前から本気の英語学習を始め、最近では、シャドテンというアプリを使って、毎日シャドーイングの練習もしている。
英語が話せない理由は、たくさんあるなと思う。
まずは、圧倒的な語彙不足。文法の基礎知識も足りていないなと思うし、リスニング力なんて足りてないどころの騒ぎじゃない。言いたいことを文章にする手前で、なにを言ってるかわからないから、なにを話していいのかさえわからないという危機的状況に、すでに何度も陥った。
これらの理由は有名だし、改善しなければ確実に英語力は手に入らないと思う。だけど、現地の人とたくさんコミュニケーションを取っていて、これらの理由と肩を並べるようにして、もう一つ!
日本人が英語を話せない理由があるんじゃないかな? と、感じています。
それは、『自分の意見を持っていないから』
『Where are you from?』
『What do you do?』
会話のスタートは、だいたいこれから始まる。これはまあ、日本も同じだろう。しかし、この次だ。話が進んでいくにつれて頻出してくる質問が、圧倒的に日本とは違うなと感じるのだ。
『Why do you think so ?』
『What do you feel?』
『Do you like?』
聞かれる! とにかく、わたしの何かを聞かれる!
なぜそう考えているのか。思うのか。なにが好きで、なにがキライなのか。わたしという人間を構成している思考を、とにかく質問されるんです。
日本だと、初対面からの数十分の会話で、そういう話ってあまりしないじゃないですか。年齢とか、地元トークとか、通っていた大学の話とか。当たり障りのないトークっていうんでしょうか。そういうことを話していれば、初対面はだいたい乗り切れます。
当たり障りのないトークなぞ、海外にはいらん!
質問をされるたびに、思考を巡らせる。そういえばわたし、どう思っているんだっけ? なにが好きなんだっけ? と。
その度に、悩む。言葉が出てこない以前に、自分の意見が思いつかない。そしてなんだか無性に、虚しくなる。確固たるアイデンティティの元で生きていないことを、まざまざと見せつけられてしまうから。
いや、多少の意見は持っているつもりだ。でも人様に堂々と伝えるほどか? と言われると、そこまでじゃないかもとか、思っちゃうじゃないですか。
どんなことを考えていたって、なにが好きだって、いいじゃないか! なにを思いなにが好きなのかが問題なのではなく、自分の意見を持っていないこと、アイデンティティが確立されていないことこそが、問題なのだ。
第二言語を習得するということだけじゃなく、自分のアイデンティティを構成することも、海外生活で目標とすべきことなのかもしれませんね。
お前は、なにが好きだ?
今、なにを思っている?
わたしは今日も、自問自答する。
ロンドンは好き。街を歩いているだけで、人の歴史を感じられるから。
でも、寒いのがイヤ。すぐに風邪を引きそうで怖いから。
カフェラテが好き。イチゴが好き。パンはそこそこだけどベーグルは好き。
育て、わたしのアイデンティティ。
ほな、また。