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新年明けます前に、お財布を盗まれまして、ご愁傷様です(涙)
時はさかのぼり、2024年12月30日。
わたしは、ロンドンの中心街にいました。
年内最後の、買い物へ行くために。
どうやらロンドンでも、年末のセールをやっているらしい。ちゃんと安くなっているのかなあ? 見に行きたいね、ということで、年内最後のセントラルへ繰り出すことにしたのでした。
このラストセントラルで、事件は起こる……
それは、たった4時間の出来事だった
大晦日の日には、友人宅で、ディナーをする約束があった。
ロンドンに来て最初にできた、日本人以外の友だち。わたしの英語力が乏しいにも関わらず、すごく仲良くしてくれてる。出会って間もないが、大切な友だちの1人だ。
何を食べようと話し合っていた時、「わたしは、英国スタイルのローストを作ろうと思っているよ。ちなみに日本では、31日に何を食べるの?」と、彼女に聞かれた。
『これは、日英両スタイルを合体させたら、楽しいんじゃない!?』と、思いついたわたしは、「日本では年越しそばを食べるよ。興味があれば、作っていこうか? 日英両スタイルを楽しむのはどう?」と、提案。
実は、大のトトロファンな彼女。日本の文化のことも、大好きでいてくれている。答えはもちろん、イエス! だった。
ええ、日英合体の大晦日ディナーとかめっちゃ楽しそう。そういえば、気分だけでも味わおうかと、一時帰国した時に買っておいた、黒豆とお赤飯を炊く素があるな。彼女には、うんと楽しんでほしい。よし、せっかくなら、お節(っぽいもの)も作っていこう!
そうとなれば、それ用の買い物にも行かなければいけないし、前日からの仕込みはマストだ。セントラルから帰ってきたら、仕込みをしよう。
年末のわたしは、大忙しだった。
30日は、19時にレストランの予約を入れていた。買い物の時間も考慮し、16時ころ、ロンドンの中心街に降り立った。
ロンドンのクリスマスは、1月まで続く。全体をイルミネーションが包み込む街並みは、相変わらず、とてもキラキラと輝いていてキレイだった。
ハロッズに次ぎ、大きな百貨店として有名なセルフディッチに、お気に入りのワインショップ。
残念ながら、いいセール品に巡り合うことはできなかったが、夫は、いいギフトを買うことができていた。それだけでも、よかっただろう。
そうして、予約をしていたレストランへ。
行ってみたいとずっとリストの中に入れていた、韓国料理屋さんだった。
とてもおいしかった。ここのお店は、きっとまた来る。
いいギフトを買えて、いいレストランにも巡り会えて。
年内最後の買い物は、とてもいいものになったんじゃないかな。そう満足感を味わいながら、帰路につこうと、駅に行った。
時刻は、8時過ぎ。
ロンドンは、「Oyster」という交通系ICカードはもちろんのこと、普通のクレジットカードも使えて、とても便利。わたしも、カードを使っていた。この日もカードを取り出そうと、カバンに手を突っ込み、財布を漁った。
が……ない!!!!!
何度も、何度も、カバンの中をまさぐってみたが、財布が手に当たらない。意を決して、カバンの中を見る。
それはそれは、家を出発した時より、ガランとしていたのだった。
ロンドンの中心街で、財布を盗まれました
「ねえ……財布、ないかも……」
わたしが持っていたのは、ジップ付きのカバンだった。ロンドンはスリが多いという前情報は、もちろん知っていたため、こちらに来てからというもの、ジップもしくは蓋付きのカバン以外は、持たないようにしていたのだ。
さらに、合わせて夫も用心深い。わたしのカバンのジップがきちんと閉まっているか、ことあるごとに確認をしていたのだ。
その日も、確認していたはず。なのに……
やられたかもしれない……と思いながらも、まずは食事をしていたレストランに駆け込む。頼む、床に落ちていてくれ。そう願いながら、来た道を全力ダッシュで戻った。
が、願いは叶わず、店内のどこにもなかった。
スマホのメールを確認する。するとクレジットカード会社から、メールが届いているではないか。
「不正利用の可能性があるため、一時、カードの利用をストップしました」
……はい、確定。
ど年末に、財布、盗まれたああああああああああ(涙)
そして、うん。すでにカードも使われているよねいくら使われたんだろおお、ロンドンの物価、怖えええ(汗)
しかしこうなってしまえば、被害を最小限に抑える以外に、できることはない。早速、カード会社に電話をした。
「最初のお取引が、『ジー(G)、ユー(U)、シー(C)、シー(C)、アイ(I)』で、使われておりますね。こちらはお客様がお使いになったものですか?」
グッチで買い物してんじゃ、ねえよ!!!!!
年末のご褒美でも買ったのか!!!!! くそう、羨ましいな!!!!!
もろもろの停止手続きを進めながら、近くの警察に向かう。
30日も、警察は営業をしてくれていた。こっちの人は、あまり働かないというイメージがあるから、警察がやっているというだけで、なんだかすごく、ありがたい気持ちになった。
中には、10人ほどの人が。この方たちにも、何かしらがあったんだろう。日々こうやって、街のどこかで事件は起こり続けているのだな。その中でわたしは、決して特別などではなかった。
とはいえ、わたしにとっては大事なのじゃ!
警察が何かしてくれるんじゃないか? という淡い期待も、まだ捨て切れていなかった。しかし、順番が回ってきて事情を説明すると、オンラインで手続きができるからと、サイトを教えられて、あっさりと終わってしまった。
その場でできることは、やり尽くしてしまった。
とりあえず、家に戻ろう。
が、手元にはカードも現金もない。夫と一緒でなければ、どうなってしまっていただろうか。なんだかすごく、惨めな気持ちになった。
家に帰ったら、ルンルンした気分で、お節の仕込みをしようと思っていたのに(涙)
家に帰ってもまだ、やるべき作業は残っていた。購入したばかりのMacBookを開き、作業を開始する。
そのタイミングで、警察から、被害届を受理した証拠となる、レファレンス番号が届いた。
あとから知ったのだが、どうやら盗難被害に関しては、警察が何かをしてくれるということはないらしい。警察に届け出を出す意味は、クレジットカードの保険などに申請をするために必要な、レファレンス番号の発行のみ。
実際に、さらにしばらくした後、「ごめんね、わたしたちにできることはないんだ。この被害届は一旦クローズするね」という、メールが届いた。
なるほど。日本だと盗られてもなお、何かが戻ってくるかもしれないと、期待をする。実際に、日本でも財布の盗難被害に遭ったことがあるのだが、その時は、免許証だけ手元に返ってきたのだ。
だが、ロンドンにそんな期待はしてはいけない。
盗られたら、そこですべて、終了だ。
きっと、手だれにやられた。ジップ付きのカバンから盗んだこともだし、カードの使い方も巧みだった。バレてしまうまでの短時間で、少額で何件もの取引を試していたらしい。
気分は晴れない。
しかし友だちに、お節は食べさせてあげたい。
とりあえず、塩抜きしておいた数の子の、薄皮を剥いた。こんなザワザワとした気持ちで、薄皮を剥くことなんて、あるんだな!
数の子よ、せめて美味しく浸かっておくれ(涙)
厄は24年に、置いてきた
翌日。
友だちは、年越しそばもお節も、気に入ってくれたようだった。数の子の独特な食感は、そんなにお気に召してなさそうだったけど(笑)用意してくれた豚のローストもデザートも、最高においしかった。
年内最後の夜は、おかげでいい日にすることができた。
皆さま。
ヨーロッパでスリが多いのは、マジです。起こってからでは、遅い。旅行や住む予定がある方は、できる限りの対策を取ってくださいね。
新年一発目の内容じゃなさすぎて、申し訳ありません(笑)
ましてや、パソコンが壊れたすぐあとに、ねえ……
せめて、ネタにしてやりたかったんや。年末にかけて、noteのフォロワーさんも、グッと増えてくれたのです。楽しんでくれたら、それが何かの活力になれれば、財布も盗られた甲斐があるってもんだ(違う)。
いつも「いいね」や「コメント」、本当にありがとうございます。励みになっております。今回も、「それは大変でしたねえ……」という思いを込めて、「いいね」を押してもらえたら、すごくすごく喜びます。
ということで。
あけまして、おめでとうございます。
本年も、よろしくお願いいたします。
きっと、厄はすべて2024年に置いてきた。
2025年、いい年にしていけるように頑張ってまいります。
ほな、また。