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51%の幸せをつかみ取れ。

お世話になった方に、結婚報告をしたときのこと。

『とにかく、幸せに過ごしなさい』

そう、言葉をかけてもらいました。そして、彼は続けたのです。

『51%くらいでいいから。過半数を取れたら、人生は勝ちだ』

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ロンドンでの生活を始めて、1ヶ月ほどが経ちました。

芸能生活20年。フリーランスで13年。
止まったら、死ぬ。そんな危機感を日々抱きながら、これまでのわたしは、がむしゃらに駆け抜けてきた。仕事がもらえるように、お金を稼げるように、1年365日、仕事のことばかりを考えてきた。

大変だった。仕事や実績やキャリアや、はたまた過酷や疲労や疲弊や。常に何かに追われていた。大変だったけど、わかりやすく人生をがんばれている感覚があったからか、楽しんでいたなと思う。

朝起きて、家事をして、コラムを書いたり少し仕事して、英語の勉強をして、時には現地の交友関係を広げるべく、ランチに行って、夕方にはスーパーで買い出しをし、夜ご飯を作って、夜は夫と映画やドラマを見たり、ゆったりとした時間を過ごす。

実に平和だ。こんな穏やかな日々って、世の中にあったんですね。15歳から働いてきたわたしにとって、すべてが初めての経験。プライベートに埋もれる生活は、実に穏やかだ。

もちろん、すべての仕事を辞めたわけじゃないので、仕事がゼロになっているわけじゃない。やることはやっています。でもまあ、量が減っているのは事実なわけで。

プライベートな時間が大半を占めるという、今までとはまったく逆の生活が、自分の手の中にある。仕事が、ない。見えない何かに追われることも、誰かに評価されることも、実績を残すことも、ない。(多少あるが少ない)

自分にとっては、「ない」ことだらけ。穏やかな生活を手に入れたというよりは、今まであったものが、なくなってしまったという感覚の方が、まだまだ強いというのが実際のところだ。

するとわたしは、ときどき、無性に不安になる。これでいいんだろうか? このままで、本当に大丈夫なんだろうか? と。「ない」ばかりの生活なのにも関わらず、これまでとまったく同じ早さで、時は進んでいくのだから。

今のわたしの生活を、きっとたくさんの人が憧れるんだろう。その自覚はもちろん、ある。でも人々が憧れるだろう生活の中で、わたしは、自問自答を繰り返す。

「何がしたい?」
「どうなりたい?」
「そのために、何をすべきだ?」
「今のままで、幸せか?」

人生で感じた幸せをダダダーっと並べた時。51%以上が幸せであれば、過半数獲得で大勝利。人生、ばんばんざい。

だとするならば、今の毎日が不安で充満しているからといって、わたしの人生が不幸になったわけではない。今を取り込む幸せに目を向け、その幸せを抱きしめながら、自分には何ができるかと考え、行動していくことこそ、人生大勝利に向けてのステップだ。

目の前の不安に、惑わされることなかれ。

不安は、不幸せとイコールではない。目の前にある幸せを抱きしめながら、不安という暗い海の中を、幸せな未来のために泳いでいこう。

ほな、また。

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