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パリオリンピックを生観戦して、一番感銘を受けたこと。

これが、今年ロンドンに住んでいる、一番の特権だったかもしれません。せっかく、近場で開催されるということで……

パリオリンピックに行ってきました!!!!!

感想noteを書くには、時期を逃している感が否めないことはよくわかっています。うん。でもまあ、そんなこと思わず、読んでいって下さいな。

わたしが今回のパリオリンピックで観ることができたのは、

  • 男子サッカー決勝

  • 女子サッカー決勝

2試合でした。なんとも偏ったラインナップ(笑)
本当は1試合のみの観戦予定だったんですが、訳あって、直前になって急遽予定を変更し、公式リセールでチケットをゲット、男女ともに決勝戦を観ることになりました。

どんな訳があったのか、書きたいところでもあるんだけど、今日はパリオリンピックでわたしが感じたことを綴りたいと思う。

あえて先に言う。試合の感想ではない。試合にももちろん感銘を受けたが、それ以外の場所でも感銘を受けたことが、わたしにはあったのだ。

男子サッカー決勝!フランスvsスペイン!めっちゃいい席を取れた

イギリスとフランスは、海底を通るトンネルで繋がっています。列車でわずか、3時間弱。飛行機だと1時間ちょっとなので、ちょうど「東京 - 大阪」と同じくらいの距離だと思っていただいていいでしょう。

自分史上初めての「ユーロスター」に乗って、パリオリンピックへ。

ハリーポッターでお馴染み!セントパンクラス駅からパリを目指します

国境を越える & イギリスがEUから脱退をしたため、パスポートを提示する必要があります。ですが、それも想像以上にすんなり。いとも簡単に通過することができました。

チケットは、日本の新幹線とは違って、値段が変動します。基本的には、飛行機より安く利用できて人気なユーロスター。ですが、人気な時間帯や時期には高くなるので、飛行機よりも高くなることもしばしば……!

パリオリンピック期間、2.3日後のチケットを取ろうとした友だちは、「2人で£600(日本円 約12万円)って出てきたんですけど……」って言ってました、エグいですよね(笑)

揺れも少なく、車内も快適でした

そして、パリに到着!
試合当日の朝にロンドンを出発し、昼過ぎに現地入りしました。

街並みがパリオリンピック一色

ホテルへのチェックインを済ませ、会場を目指します。

会場へは、公共の交通機関を使いました。交通規制の状況がわからなかったので、Uberは避けた。公式が提供している、バスや電車に乗るための移動用のアプリがあったんですが、これがマジで秀逸だった! 

1回券はもちろんのこと、1日券、3日券など、多数のチケットが用意されていたんです。期間が長いほど、お得な値段で購入できます。そのチケットを持っていると、バスもunder groundもover groundも、何でも何度でも乗れちゃう! しかもスマホのパスに入れることができるので、改札やバスの入り口で、ピッとタッチするだけ! 

さらには、会場内の適切なゲートに行くまでの道のりも、的確に表示してくれます。

このアプリが公式から用意されているのは、本当にすごいと思いました。東京オリンピックでも、似たものが用意されてたりしたんだろうか……? オリンピック観戦も、テクノロジーと共に進化していますね。

会場はフランスの名門「パリ・サンジェルマンFC」の本拠地

そして、最寄駅に到着。

会場から徒歩数分のところにも駅があった。でも、わたしたちが持っていたチケットの入場ゲートや、交通規制の関係でしょうか。もう少し遠い駅で降りて歩けと、アプリから指示されたんですよね。

25分くらい。遠ーっ! ってなりながらも、しょうがないので歩いて向かうことになった。

当日のパリは、曇り模様。
空はうす暗くって、いつ雨が降ってもおかしくない雰囲気が漂っていた。「傘、置いてきてもうたー」と気づいたわたしたちは、急足で会場に向かって歩いていたのです。

セーヌ川

セーヌ川を越え、他の観戦者と列をなし、20分ほど歩いたところで、会場が見えてきました。

フランス名門チームの本拠地とあって、それはそれは、大きなスタジアムだった。「うわー、めっちゃ大きいー!」と感動しているわたしの耳に、突然うっすらと、歌声が聞こえてきたんです。

人がたくさん集まる日だ。誰かが路上ライブでもしているんだろうか。もしくは、テンションが上がったファンたちが、ライプでもしているんだろうか。パリなら、そんなこともありそうだな。

歌声の正体はわからぬまま、人混みに身を任せながら、どんどんと会場に近づいて行く。そして、入場ゲートがしっかりと自分の目で確認できるようになった、まさにその時だった。

「M and N to Left〜♪ A and B to Right〜♪」

歌声の正体が、ついにハッキリしたのだ。
路上ライブをする歌手ではない。テンションが上がったファンでもない。歌声の正体はなんと、ゲート案内をしてくれている、会場スタッフさんだったのです。

「ゲートはこちらです」という案内を、まるで一つの歌のように、陽気に歌い上げていたのでした。

わたしが最初に目にしたのは、女性2人のペアだった。それぞれ違う看板を持ち、身体を左右に揺らしながら、例の「ゲートはこっちですソング」を仲良さげに歌っていたのだ。

その様は、本当に楽しそうだった。めっちゃ笑顔だった。
そんな2人の案内を聞いた観客たちも、たちまち笑顔になっていった。

最高の空気感。長時間歩いた疲れも、どこへやら。25分も歩かされて大変だった道のりが、瞬く間に、オリンピックという夢舞台に向かうにふさわしい、ハッピーでメモラブルな道のりに変わったのでした。

わたしたちは今、スタジアムに向かっているのではない。
オリンピックという、夢舞台に向かっているのだ。

道案内のスタッフさんが、そうわたしに気づかせてくれたのです。

ハッピーな気持ちになったとともに、わたしは少し考え込んでしまった。もしこれが日本ならば、どうだっただろうか、と。日本人は真面目だ。きっと道案内も、業務として、任務として、真面目に遂行するだろう。

「M・Nゲートの方は左へ、A・Bゲートの方は右へ。押さずに、順番にお進み下さい」

真剣な表情で、こういうことを繰り返し言っていると思う。そこにきっと、笑顔はない。

もちろん、このやり方を否定したいわけじゃない。きっと自分が道案内をするとしても、圧倒的に後者パターンを選んでいると思う。とはいえ、この方法を選択することで、業務である道案内は、さらに業務みを増し、終えた時に得られるのは、楽しさじゃないだろうなと思うのだ。

自分次第で、どんなことも楽しくなる。楽しくできる。

考え方次第で、楽しくないことにも、楽しさを見出すことができる。やり方次第で、退屈なことが、楽しいことに変わる。楽しいことを探すことももちろん大事だが、まずは、何事も楽しいに変換できるような、そんなマインドを育てることが必要なんでしょうね。

さらに会場に近づくと、他の道案内スタッフさんと出会った。その方は、歌ってこそいなかったが、道案内をする途中で、「盛り上がってるかー!」と叫んで観客を盛り上げていた。また他の方は、自ら持ち込んだスピーカーから音楽を流し、踊りながら道案内をしていた。

世界には、自分の力で「楽しい」に変換できる人が、たくさんいる。

このマインド、わたしも育てたいな。育てることできっと、さらに人生は明るくなっていく。

会場は超満員。男子決勝はフランスサポーターが8割ほどでした(笑)
スペイン強かった! フランスの粘りも最高だった!
翌日は女子サッカー決勝! 日本を下したアメリカが優勝!
オリンピック仕様のエッフェル塔
パラリンピックマークは凱旋門に

男子の試合は、とにかくシビれた。何度も生でサッカーの試合を観てきたけど、今までで一番、熱く、胸に響いてくる戦いだった。

女子決勝は、選手たちのサッカーにかける思いが伝わってくる気がして、試合終了の合図とともに、なんだか知らんが、泣いてしまった。

試合は、もちろん最高だ。世界の頂点を目指す戦いで感じたすごみは、とても簡単には、言葉で言い表わせない。でも、オリンピックの良さはそれだけではないのだと、教えてもらったパリオリンピックでした。

世界には、たくさんの人が生きている。その生き様から学ぶことは、本当に多いもんですね。

ほな、また。

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