世界を知るということ。 【ロンドンで、インフルにかかりました】
えーっと。
新年早々、ロンドンでインフルエンザにかかっておりました。
できる経験はしておくべきだ！ と思って、超インドア＆超保守的人間でありながら、ロンドン生活にチャレンジしてみようと、一念発起したわたしです。海外での高熱くらいはね、経験としてかかっておけてよかったかも。
……なーんて！！！
考えそうな自分が、いたんですけど。実際にかかってみると、どうでしょう。かからない方がいいです！ マジで！（当たり前）
2025年になって、2週間ほどが経ったころだったでしょうか。朝起きるとなんかね、喉に違和感があったんです。「あ、このままいくと風邪ひく」って思うやつ、あるじゃないですか。アレです、アレ。
これは食い止めなければ！ と、日本から持ってきていた薬を飲みました。総合風邪薬的なやつ。しかし、まったく効く気配がない。
「日本の市販薬は、弱いっていうもんな……」と、その日の夕方、ドラックストアに駆け込む。成分も強いらしいし、こっちの薬なら効くだろう。ロンドンで有名な風邪薬を飲んで、就寝。すると翌朝、少しよくなった気がしました。よかったよかった、このまま飲み続ければ治りそうだ。
そう思っていた矢先、夕方ころかな。なんかフラフラするなと思って熱を測ってみたら、なんと、38.5度もあるじゃあないですか！！！
冬によく見かけるあのカタカナ4文字が、頭をかすめる。ま、まさかねえ……でも、流行っているっていうしな。っていうか、ロンドンでインフルにかかったら、どうしたらいいんだっけ……？
詳しくなかったわたしは、知り合いにヘルプを出しました。「インフルにかかってしまったかもしれないのですが、何かできること、すべきことはありますか？」と。
その方は、現地生活20年以上。イギリスの永住権も持っていて、3人の子育ても経験されている、とても心強いロンドン生活のプロなのです。ヘルプを出すと、すぐに返信をくれました。ありがたや（涙）
……が。返ってきた返答が、世界すぎた。
「こっちには検査薬って、ないんだよねえ……。インフルも全部、風邪。市販薬でなんとかするしかない。オススメは、これだよ」
……そう！ ロンドンには、インフルエンザの検査薬というものが存在しないのです。検査をしないため、普通の風邪と扱いが同じ。さらには、基本的に病院には行けないので、ドラックストアに行って、市販の薬でなんとかするのが通常だそう。
イギリスって、医療が無料で受けられるんですよね。公立と私立、的な2種類の病院が存在し、公立の病院は、定住の権利を持っている人なら、誰でも無料で利用することができます。これだけ聞けば最高なのですが、無料がゆえのハードルがあることも事実。どんな病気であったとしても、まずは登録している最寄りのかかりつけ医に相談する必要があります。その後、必要であれば紹介状を書いてもらい、やっと専門医に診てもらうことが可能です。つまり、予約も必須だし、病院に行けるのは数日後。基本的に風邪では病院に行けないというのが、少しは伝わりますかね。あまりにツラい時は、救急病院を利用することもできますが、風邪だと優先順位がとても低く、5.6時間は平気で待たされるだろうとのことでした。
もちろん、お金を出せば、私立の有料プライベートクリニックに行くことが可能です。日系病院もあり、そこではインフル検査も受けれて、安心。ただまあお察しの通り、とても高いです。保険が効けばいいですが。
市販薬で、インフルエンザ菌って、やっつけられるんだっけ……？
めちゃくちゃ素朴な疑問が、頭をよぎる。
日本でインフルエンザにかかっても、すぐに病院に行けるし、特効薬だってもらえる。ただ、1週間の外出自粛を余儀なくされてしまうのが、とても大変ですよね。仕事の穴を空けてしまうことになれば、信用問題にも関わってしまうかもしれない。同居する家族に、移してしまうかもしれない。体調だけではない大変さが、そこにはある。
しかし海外では、そもそも何日で熱が下がるかもわからない。いつ仕事に復帰できるかもわからない。どの薬が効くかもわからない。わからない尽くしの中で、インフルエンザと、40度にも近い高熱と戦う必要があります。
日本の医療と、イギリスの医療。
どっちの方がいいのかは、立場や年齢などによって、捉え方はさまざまだと思う。だから一概に、イギリスの医療を否定することはできない。しかしながら、イギリスの医療を目の当たりにしたことで、初めて見える、日本の医療の良さがあったなと思う。
視点を変えなければ、見えないことってたくさんあるな。
視野を広げて、視点を変えて。考え方や価値観、自分の意見を育てていかなければ。きっとそれが、世界を知るということなのだ。
結局なにが言いたいって、健康は大事です。わたし、インフルの予防接種打ってましたからねえ。ええ。予防はあくまで、予防だな。
お互い、ご自愛していきましょう。
ほな、また。