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ゼロ年代のB級邦画

僕はいままでの人生において、割と映画というものを観てきた方の人間だと思う。
と言っても、生粋の映画マニアに「シンドラーのリスト」の素晴らしさについて語られてもついていけないし、スター・ウォーズみたいな超有名作品の話しをされても「観たことねぇ」としか言えない。
実に中途半端な人間である。一体、俺は何を観てきたんだ。
そう思って考えを巡らせてみると、僕が熱心に映画を観ていたのはちょうど僕が10代の頃だ。若者特有の漠然としたモヤモヤに対して、なにか答えのようなものが見つかるかもしれない、そんな風に思って毎週TSUTAYAに通っていたのだった。
そういう訳で、僕が好きな映画はちょうど僕が思春期を送ったゼロ年代(2000年~2010年)のものばかりだ。しかも、B級邦画ばかり。もちろん、答えのようなものは見つからなかったのだけれど、些末なブログのネタくらいにはなる。
今日はそんな僕が好きなゼロ年代のB級邦画をいくつか紹介する。詳しいあらすじはウィキペディアを参照してください。
全部観たことあるって人は友達になれると思います。DMください笑



1、きょうのできごと a day on the planet (2004)

大学生くらいの若者が集まってホームパーティをした一日に起こったことを複数人の視点から撮った群像劇的な作品。ぶっちゃけ、特に山場もないし、ここが面白いとかもない。人によって一日の感じ方が違うんだなということがわかる。ただそれだけ。
でも、何故かこの映画は印象に残っているシーンが多い。
深夜の高速サービスエリアで缶コーヒーを買うシーン、買い出しに出たら偶然昔の同級生に遭遇するシーン、風呂場で髪を切っているシーン、ふとした瞬間に思い出してしまう。そんな映画。



2、亀は意外と速く泳ぐ (2005)

ぶっちゃけこの映画、あらすじはほとんど覚えていない笑
ただ、唯一覚えているシーンが強烈だから選んだ。
地球に潜伏していた宇宙人のラーメン屋の店主が、自分の星に帰る前にラーメンを作るというシーンだ。なんのこっちゃわからない笑
その店主は何十年も、敢えて目立たないように細々とラーメン屋を営んできた。美味しすぎたら行列ができて目立ってしまうし、不味すぎたら店が潰れてしまう。ずっと自分の実力を隠したまま、絶妙なさじ加減でラーメンを作ってきたのだ。
そんな彼が「最後に本気の一杯を作らせてくれ」と言って本気のラーメンを作る。それを食べた主人公たちがこんな上手いラーメン食べたことないと言って涙しているシーンを何故か僕はいまだに覚えているのだ。
なんか人生ってそんなもんかと思った記憶がある。


3、虹の女神 Rainbow Song (2006)

この映画は何故かDVDまで持っていたくらい好きだった。
とにかく設定や雰囲気が良い。大学の構内だったり、サークルの部室だったり、すべての情景にエモさを感じる。当時はエモいって言葉ないけど。
そして、一番すばらしいポイントは、、、主人公がバカすぎるというところだ。
ずっと自分のことを想ってくれている女の子(上野樹里)の気持ちに気づかないで酷いことをした挙句、その子が死んだあとにその気持ちに気づいて涙するというシーンがラストなのだけれど、正直観ている側からすると、そりゃそうだろって感じなのである。感動とかしない。
だけど、思い出してほしい。自分が若かった頃、バカだったでしょ? 少なくとも僕はもっともっとバカでした。
この映画は、そんなバカな男たちにある種のカタルシス効果をもたらしてくれる、かもしれない。
信じるか信じないかは自己責任でお願いします。


4、サマータイムマシン・ブルース (2005)

こちらの映画も上野樹里が出てくる。あの頃、上野樹里が出てくる映画はだいたい面白かった。気のせい?
この映画は、夏休みのある日、なぜかSF研の部室に本物のタイムマシンがあって、部員たちが短いタイムトラベルを繰り返して、壊れたエアコンのリモコンを直そうとする話だ。実にくだらない。
だけど、それは伏線なのだ。
ラストで主人公は、些細なことから自分が想いを寄せている女の子の未来の苗字を知る。そして、それが自分と違うということに愕然とする。
でも、未来は変えられるかもしれない。壊れたリモコンを直したように。
未来は変えられるのだ。全然くだらなくない。



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寺田カンフー
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