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バンドマンは楽器を捨てよ、街へ出よう!
この記事は売れないバンドマン・アーティストに向けて書いた。何がなんでも有名になりたい、どうしても売れたい、音楽業界を変えたい! と思っている方への一風変わった提案である。
BiSHというアイドルを知っているだろうか?
話題の楽器を持たないパンクバンドというキャッチコピーで売っているアイドルグループである。
なんだアイドルかよ、と思った方も多いだろう。私も昔、バンド活動をしていた時期は、アイドルを毛嫌いしていた(すいません汗)。
だが、彼女らのPVをご覧いただけば、そんなことは言えなくなる。
洋楽を意識した曲作りで、アイドルという枠に収まらない壮大な世界観が表現されている。昔、ロックにハマったアラサー男子の耳にも不思議と馴染む。
それもそのはず、彼女らはそのコピーからわかるように楽器を弾かない。楽曲はすべてプロデューサーが作る。昔、バリバリのロックをやっていた人らがアイドルをプロデュースし、楽曲を提供しているのだ。
ちろんライブで楽器は弾かない。カラオケをバックにパフォーマンスを行うのだ。楽器を持っていないのでアクションも大きく、SNSで彼女らのライブは激しい!と話題になっている程なのだ。
激しいライブといえばロックバンドだった私の世代からすると時代は変わったものだと感慨深く思う。
だが、一方である気づきを得た。それを世のバンドマンに伝えたいと思う。
自分たちで作詞作曲した楽曲で勝負しても、しなくても聴いてる側には関係ない!
要するに、バンドマンは自分たちで曲を作って歌うことに執着し過ぎではないかということだ。
私も以前バンド活動していた頃は、自分のオリジナルという部分に相当こだわった。しかし、バンドで曲を作って、ライブのブッキングをして、ライブの曲を練習をして、フライヤーも作って、物販も準備してとなるとバンドマンは大変時間がない!
そこで私は、「誰かの曲を買う」という考えを提案したいと思う。
もちろん全てをというわけではない。本当に伝えたいテーマやメッセージは自分たちの言葉でなければ伝わらないだろう。だが、組み立てで曲数の足りないバンドや、セットリストが毎回同じでマンネリ化しているバンドは多いはずだ。新曲を作るためにわざわざスタジオを借りて、何もできなかったりすることも多い。
そんな時に私は、第三者の作った曲の権利を買い、それを演奏することはありだと考える。そもそもアーティストが自分で作詞作曲するのが当たり前になったのはビートルズが登場してからである。バンドマンのバイブル「僕はビートルズ」でも描かれているように昔はプロの作曲家が曲を提供していたのだ。現代のバンドマンが他人の作った曲をライブで演奏していても全然おかしくはない。
そこで私からの提案は、あなたのバンドを楽曲ホールディングバンドにするというものである。
世の中には、ホールディングカンパニーというものがある。潤沢な資金を使って小さな会社を買収して子会社にし、その子会社からの利益を吸い上げて儲けている会社だ。それをバンドでやろうというのである。
楽曲というものは登録しなくても作曲した人に著作権がある。なので、勝手に使用することはできない。作曲者と契約を交わす必要がある。
だが、世の中には掃いて捨てる程の楽曲があり、最近はネットで検索すればいくらでも探せる。全然知らない相手でも、多くの場合はメールで連絡を取ることが可能だ。例えば、YOUTUBEやマイスペースやオーディオリーフなどバンドマンが音源を公開しているサイトを使えばいくらでも埋もれた名曲を発見することができるだろう。マイケル・ジャクソンの名曲「スリラー」ももともとほぼ無名バンドの楽曲である。
バンドメンバーで月1000円づつでも積立て、メンバー4人のバンドなら1年で約5万円になる。それを資金にして楽曲を増やしていく。
私が思うに、狙い目は解散したアマチュアバンドの曲である。友達のバンドやライブハウスで知り合ったバンドの曲で気に入った曲があったら覚えておいて、時期を見て声を掛けるのである。アマチュアバンドなんてほとんど儲かっていないから曲の権利なんて登録していない場合がほとんどである。上手く交渉すればタダ同然で使わせてもらえるだろう。
また、仮に良い曲が見つからなくても、戦略として面白いとメディアに取り上げられれば宣伝効果があるので元が取れるだろう。
若いうち、10代、20代の時間というのは永遠に続くように長く感じる。けれども、年を取るにつれ時間の流れは早くなるのだ。貴重な時間を無為に過ごすべきではない。絶対に叶えたい夢があるのなら、いろんな手段があるということを知って欲しい。
という訳で、バンドマンは楽器を捨てよう、街へ出よう!
thank you for your time
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