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めんどくさい友達#1

僕が大学1年生だった頃、とある教授が講義の最中「大学は友達を作るところ」という話をしてくれた。
どういう流れでそんな話になったのかは忘れてしまったが、彼の話によれば同期で偉くなった人が何人もいたらしい。
「あいつらと仲良くなってれば、俺も今ごろ出世していたなぁ」とボヤく姿はなんとも淋しいものだった。
僕は教授の教訓を胸に大学生活を送り、少ないながらも何人かの友達をつくった。
先日、そんな大学時代のバイト友達、タチカワ君からこんなメールが届いた。ちなみに、僕らはファミマでずっとバイトしていた。
「お前、エッセイ書いてくれない? 挿絵の練習がしたいんだ」
彼は大学時代、システマというロシア武術にのめり込み、はるばるカナダまで出向いて、インストラクターの資格を取得した男だ。卒業後は自分で道場を構えるつもりだったが、流石にあきらめ、大人しく会社員をやっていた。しかし、最近いきなり会社を辞め、イラストレーターになると言い出した。要するに変り者である。
聞けば、この企画は毎週1本、数カ月に渡って連載し、最後は小冊子にするつもりだという。
彼の活動を応援したいという気持ちもあるし、なかなか面白そうなので引き受けることにした。
「テーマとかあるの?」
僕がそう訊くと、彼はこう言った。
「挿絵が書ければなんでもいいよ」
そうか、何でもいいのか。僕は割と時間をかけて初回の文章を書き、それをタチカワ君にメールで送った。

なんでもいいと言った割りに、タチカワ君は内容にめちゃくちゃダメ出ししてきた。めんどくさいやつだ笑
という訳で、この初回の文章もかなり改編されたものとなった。
類は友を呼ぶとはよく言ったもので、大学時代にできた友達はみんな変わっていて、めんどくさいやつばかりだ。
まだ出世した人はいないけれど、これから出世することを願っている。





~毎週日曜夜に更新~
自主連載企画『27歳で死ぬと思ってた』
文:寺田功夫
絵:タチカワ(https://linktr.ee/kyotaro071)


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寺田カンフー
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