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「花束みたいな恋をした」をいまさら観たおっさん~大人になること~
映画「花束みたいな恋をした」を観た。
最近お気に入りの上京ボーイズというポッドキャストで取り上げられていたのだ。
タイムリーに聴いていなかったためラグがあるが、感じたことを書いておこうと思う。
この映画の脚本は、坂元裕二という有名脚本家が書いているだけあり、近年よくある雰囲気だけの邦画ではない。サブカル、恋愛、仕事、人生、いろいろな要素が絡み合った作品だが、主となるテーマははっきりしている。
私が考えるこの映画のテーマは、「大人になること」だ。
花束みたいな恋とは?
タイトルにある「花束みたいな恋」とは何だろうか。
みたいな、という表現から「花束≒恋」ということがわかる。
ここでの「花束」とは、単純に花屋で買った花の束という意味ではない。
人生において「花束」を貰う場面とはどんな場面か考えてほしい。
劇中にも登場する結婚式がいい例で、人生の節目節目に行われる行事、結婚式、成人式、あらゆる○○式の最後に手渡されるのが「花束」である。
終盤、ファミレスで別れ話をするシーンがある。
2人はかつての自分たちのようなカップルを見て思わず涙を流す。
泣けるということは大人になったということだ。何の経験もしていない子供は泣くことができない。上京ボーイズで高校生には刺さっていなかったと言っていたのは高校生が子供だからだろう。
この恋を通して、「むぎ」と「きぬ」は大人になった。
「花束」とは無事に通過儀礼を終えた証なのだ。きっと、この映画が刺さるのは20代半ばを越えた「子供の恋愛」を卒業した人たちだ。
こんな恋自分にもあったなあ、とノスタルジックになれる伏線が随所に散りばめられている。
こんなご時世の若者へ
しかし、作り手が一番観てもらいたいと思っているのは、こんなご時世を過ごしている若者たちではないだろうか。
息のつまる自粛生活が2年以上続いている。
いま大学生になった若者たちは飲み会もできない。
終電まで遊んで帰ることもできない。
ファミレスで夜遅くまで語ることもできない。
彼ら彼女らは無事に通過儀礼を終えて、大人になれるのだろうか?
そんな危惧があるような気がするのは僕だけだろうか。
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