CDショップがない時代のセレピ~おっさんに青春を思い出させてくれたシバノソウ~
近年、スポティファイという超便利なサービスがあるので、CDショップに行く機会がめっぽう減った。
僕が高校生だった頃は、隣街のタワーレコードまで行って視聴機でひたすら知らない音楽を漁ったというのに、すっかり時代は変わったものだ。老害です、はい。
たまたまジャケットが気に入ったから買ってみる。いわゆる「ジャケ買い」という文化もなくなってしまった。
熱心な店員さんが書いたポップを見てなんとなく聴いてみるというのもなくなった。
そう考えると、たまたま新しい音楽を知るという機会が減ったなあと思う。
パソコンやスマホの画面だけを見て、たまたまを生み出すことは結構難しい。
何かきっかけがないと記憶に残らないのだ。
先日、めちゃくちゃ記憶に残る出来事があった。
僕はアマチュアながら個人で音源を配信しているのだが、まったく同じタイトルのアルバムを出しているアーティストを発見してしまったのだ。
下が僕のアルバム↓
夏目漱石の「それから」という好きな作品をもじって「これから」というタイトルにしてみた。
おっさんだけど、これから頑張るぞという思いを込めた。
我ながらなかなか良いタイトルだ。
今回、発見したアルバム↓
スポティファイのおすすめ機能でたまたま出てきたのだ。
かぶってる。めっちゃ被ってるわ。
ぬぬ、なかなか良いセンスしてやがる。
でも、俺の方が先だろうと思ったのだが、一番下のリリース日を見て愕然とした。
シバノソウさんの方が10日早くリリースしていた。
僅差で負けた。Orz
(あとで調べてみたら「これから」というタイトルのアルバムはこの世に結構あったw)
悔しいけど聴いてみた
申し訳ないが、僕は存じ上げなかったシバノソウさん、調べてみたら23歳と若い。しかし、結構前から活動しているようだ。
音源を聴いてみた感想は、ぶちゃけよくあるポップス寄りのロック、という感じだろうか。下北にいそうな感じだ。
流して聴いていたが、妙に耳馴染みが良い。なんとなく、2曲、3曲と聴いているうちに、僕の胸には熱いものが込み上げてきていた。
青春時代、アジカンやアシッドマン、ストレイテナーなんかをひたすら聴いて過ごした頃の血が沸き立ってきたのだろうか。
自分語りになってしまうが、僕は20代、プロのミュージシャンを目指してバンドを組んでライブばかりしていた。
メンバーが次々と辞め、活動休止してからは、後ろ髪をひかれる思いでアコギで弾き語りなんかをしていた。
そのうちパソコンで打ち込みを始めて、言うこと聞かないバンドなんかより全然良いわ、なんてことを思ったりしていた。そんなわけで最近はDTMで打ち込みばかりしている。
でも、本当はこんなバンドバンドした音にあこがれていた。
正直言って、彼女の曲はどこかで聞いたことのあるフレーズの寄せ集めかもしれないし、たいして歌も上手くないかもしれない。
でも、下手でもいいから自分たちで何かを作り上げようという意思をすごく感じた。
下の動画では監督もしているようだ。
それはまだ20代前半の僕が、下北沢のレコーディングスタジオで、仲間たちと一枚のCDを作り上げたときの気持ちを思い出させてくれた。
少なくとも彼女の曲には、誰かに昔を懐かしませる力がある。すごくないか?
初めてスタジオに入って、仲間とアジカンの曲を演奏したとき、僕は鳥肌が止まらなかった。
最近は家のパソコンで一人で曲を作ってリリースみたいなプロも多いし、勝手に曲を作ってくれるAIまで登場してきた。
便利になるのは良いかもしれないが、昔、アジカンのごっちがオススメしていた小泉文夫の「音楽の根源にあるもの」には、テクノロジーが発達しても、下手でもいいから自分でギターを弾く方が大事というようなことが書いてあったっけ。バンドやりてえ。
終わりに
車でシバノソウさんの曲を聴いていたら、画像が柴咲コウになってた。
柴咲コウとシバノコウ、、、たしかに似てるけど笑
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