コーチング・ピラミッド(2) #26
前回はコーチング・ピラミッドの、土台部分にあたる話をしました。
自己基盤、コーチングマインド、信頼関係。
これらが土台がしっかりしていて、初めてクライアントとのセッションを始めることができます。
セッションが始まってから必要になるのが、コーチングの「スキル」です。
スキルには、大きく4つありますので、順にご説明します。
1.承認するスキル
事実を受け止めるというスキルです。クライアントが話した内容を、評価せず、そのまま受け止める。頷く、相槌をするなど、適切に反応します。
クライアントの気持ちがより入ったフレーズには、リフレインと言って、オウム返し、つまりクライアントが言った言葉を繰り返すことも、効果的です。
クライアントが感じたことを、そのまま受け止めて、まずは話を聞いてくれていると思ってもらえるようにしましょう。「コーチはしっかり聞いてくれている」とか「そう思ってもいいんだ!」と思ってもらえるといいですね。
2.傾聴するスキル
次に必要なスキルが傾聴です。クライアントに気持ちよく、沢山話してもらうスキルです。ペーシングといって、ペースを合わせるスキルが有効的です。
それで?具体的には?というと?というように接続詞を簡潔に使って、話をどんどん広げていくようにしましょう。沢山話してもらったところで、要約したり、言い換えたりしてあげると、クライアントの頭の整理が進むと思います。
また、クライアントが考え込んでいる、絞り出しているようなときは、「黙って我慢して聞く」ことも必要です。変に「助け船」を出さずに、コーチングマインド(=クライアントなら出来る!)を振り絞って、我慢しましょう。
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子育て中の親にも同じことが言えますね💦
3.質問するスキル
次は、質問するスキルです。クライアントの中にあるものを、どんどん引き出しちゃうスキルです。5W1Hを使って、オープン・クエスチョンをしていきましょう。(はい/いいえで回答できるのが、クローズド・クエスチョンです)
なぜ? 何を? いつ? だれと? どうやって? どれだけ?(これらを全部問いただすのではなく、いくつかピックアップして質問します)
そして、一番難しいのが、【視点の移動】です。視点の移動とは、クライアントが視野の狭い範囲でものごとを考えてしまっているときに、相手はどう思っていると思いますか?とか、3年後の自分だったら今のあなたにどうアドバイスしますか?とか、普段考えたことのないような視点で、一度考えてもらうような質問を投げかけることです。
具体的には4つ種類があります。 ※()内は例です
1)主体を変える(部下/上司、親/子供、先生、尊敬する人)
2)時間軸を変える(過去/未来)
3)事実に向ける(できていること、できそうなこと)
4)仮定に向ける(こういう制約がなかったら?)
これらの質問が効果的に使われると、クライアントに新たな気付きが生まれ、より広い範囲でものごとを考えていくことが出来るようになります。
4.フィードバックするスキル
最後に、フィードバックするスキルです。クライアントの語気や、表情、エネルギーが変わったことを、伝えてあげるスキルです。それを受けたクライアントにとって、”初めて” もしくは、”改めて” 気付きを得ることができます。
例えば、「〇〇の話になった途端、表情がにこやかになった気がします。」と伝えると、クライアントは、「そうなんです、私やっぱり、〇〇のことが好きなんです」と自分の気持ちに素直に認められるようになります。
このフィードバック、クライアントにとって心の準備が必要なので、「ちょっと感じたことを言ってもいいですか?」と許可をもらってから言うとか、「私はこう感じましたよ」と”I”(アイ)メッセージで伝えることが大切です。「あくまで、コーチの私が感じたことで、それがいいとか悪いとかではありませんよ」という一言も添えると良いかもしれませんね。
以上4つのスキルの話をしましたが、少し整理しますね。
まとめ
1.承認するスキル
・頷く、相槌をする
・リフレイン(オウム返し)
2.傾聴するスキル
・ペーシング
・それで?具体的には?
・要約する
・我慢して聞く
3.質問するスキル
・5W1Hを使ったオープン・クエスチョン
・視点の移動
1)主体を変える(部下/上司、親/子供、先生、尊敬する人)
2)時間軸を変える(過去/未来)
3)事実に向ける(できていること、できそうなこと)
4)仮定に向ける(こういう制約がなかったら?)
4.フィードバックするスキル
・”I”メッセージ
読んで理解するのは簡単かもしれませんが、実際にやるのは非常に難しいです💦コーチを目指している人に限らず、全ての人にとって、このスキルはコミュニケーションスキルの1つとして、大切だと思います。このスキルが身に付くように、何か1つでも、普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!