座って計れる体重計
何故これを作ってみたのか?
上の写真にも表れていますが、背中が変に曲がっています。
私の持病は、多発性骨髄腫という血液ガンで、背骨に数か所の圧迫骨折が有ります。
そのために動けず、と言う訳ではありませんが、ゴルフやスポーツはできません。
最近は、医学の発達でガンも延命できる時代になってきています。
しかし、完全緩解にはならないので、治療は継続しなければなりません。
現在は血液データも安定しており、抗がん治療はお休みの状態ですが、以前は2週間毎の皮下注射・点滴を行っていました。
30分程かかる点滴を受けている時、看護師さんから「寺岡さん、発明家なのでしょう、座って計れる体重計ありませんかね」という質問を受けました。その訳は、患者がヘルスメーターから、足を踏み外し、落下転倒したのので、それを防止したい。
ガンによっては、抗がん剤の量を、体重によって調整する場合があるので、体重測定は必要なのだ、という事でした。
帰宅し、パソコンで検索したところ、商品は有りました。ただ、医療対象のせいか、価格は20万円以上と高価です。
県立のがんセンターですから、この額でも購入可能だとは思いましたが、
安価なヘルスメーターで、同じような機能が実現できないか考え、作成してみたものです。安ければ、複数台置く事も出来るとも思いました。
自宅でヘルスメーターを探したところ、3台発見。
1台は、私の体組成計測可能品、2台は写真のようなタイプで価格も数千円と安価なものでした。
ほとんど使われていない、一台を対象に製作を開始。
発想の順序
ヘルスメーターの測定原理の調査
座席との結合方法は
結合時の測定値の見える化
と内容的には、簡単な解決必要項目ではあります。
1、重量がかかった時、バネで支えられている上部が沈みその動きを、メモリを刻んでいる円盤に伝達する。強いバネが入っていそうなので、分解は行わない。重要点は、垂直な荷重が必要。
2、椅子を乗せるためのベースは必要、ただし最終的に荷重はヘルスメーター上部に平均化して伝わるようにする。椅子と結合板の合計重量は15kg以下が必要。(風袋引き調整範囲内のため)
3、潜望鏡方式がすぐ浮かんだが、読み取れるか?
椅子用の台を20㎜のべニア板で作成し、裏面にヘルスメーターがはまり込むような、枠を取り付けた。枠の高さは、ヘルスメーターのたわみ量が、確保できるよう、低くする。
四隅の
は全体のガタツキを緩和するための支え、これも常時接地するのではなくヘルスメーターのタワミ量は開けておく必要はある。材質はゴムで戸当たり。青プラスティックで微調整。
潜望鏡は塩ビのパイプ、を使用。エルボーを加工し、そこにコンパクトの鏡を固定し、反射させ外部に投射させる。メーターのメモリは遮光され暗くなるので、計量時はLED照明点灯で、メモリ部を明るくする。
100均で購入のコンパクトは、片方が拡大境だが、それを使った方がメモリが拡大され、好都合であった
重量がかかった時、通電する自作スイッチ。
以上、製作理由、概要、結果を説明しました。
看護師さんから要望が有り、ガン患者が苦労して作成した、座って計れる体重計、「病院に寄付します」と申し出ましたが、婦長様の「どこの製品かわからない物は、タダでも受け入れはできないの」一言で、行かず後家となってしまいました。