Googleが今更日本にデータセンターを作る理由を考える
Googleが日本に初のデータセンターを建設するというニュースが挙がっていた。
日本にGoogleのデータセンターがなかったことがそもそも驚きではある。
アジアでは台湾とシンガポールに計4つあるらしい。
シンガポールは国を挙げて最先端を取り込むようなイメージがあるし、東南アジアからオセアニアあたりを視野に入れるとちょうど良い位置にあるので、Googleが目をつけても不思議ではない。
そして、アメリカからの中継となり、日本と中国にもリーチできるということで、地理的に台湾にデータセンターを置いているというのもわかるのだが、台湾は一応中国が領土を主張している土地だ。
そして、中国政府が自国にGoogleのデータセンター建設を許可することは絶対にありえないだろう。
あらためて、台湾は特殊な立ち位置にある地域だなぁと思う。
話が脱線してしまったが、今更になってなぜグーグルは日本にデータセンターを作ろうとしているのだろうか。
上に挙げた記事の中では、
”データセンターの仕様や運用開始時期についてグーグルは「未定」としている。同社はクラウドを使った最先端の人工知能(AI)処理サービスを強みとしている。日本でのこうした事業の展開に新センターを活用するとみられる。”
とある。
なんともはっきりしない物言いだが、私はStadiaが絡んでいるんじゃないかとみている。
過去にもStadiaに関するノートを書いているが、実は最近の発表でStadiaの最初のサービス開始国に日本が入っていないことが分かった。※参考
日本の経済力が落ちているからか・・・っと嘆く声をいくつか見かけたが、個人的には結構な違和感を覚える発表だ。
確かに、日本の市場は日本語しか使えないという意味で扱いにくく、他の国が発展する中で相対的に影響力が薄くなっているのは間違いない。
一方で、質の高いインフラが整っており、世界規模でブランドが浸透しているゲーム制作会社も多い。
ゲーム、特にコンシューマゲーム機といわれるゲーム専用の機械を扱う世界において、日本は独特の存在感を持っており、そこで流行るということはそれなりの意味を持つとGoogleなら考えるのではないだろうか。
実は、過去にSonyがPS4を販売する際には日本を後回しにしていた。
そんな例もあるが、今回は天下のGoogle様である。
過去のサービスで、これまでかというほど日本語に対するデータも蓄えているのに、言語という理由だけで日本市場を無視するというのはらしくない選択じゃないだろうか。
そんな風に考えていた。
そんな中、Googleが国内に初となる自前のデータセンターを作ると聞いて、その違和感が解けた。
Stadiaはデータセンターに常時アクセスしながら、超ハイクオリティなゲーム体験を実現するという点で注目を集めているゲーム機だ。
しかし、それを実現するためにはコンマミリ秒という時間との闘いになる。
それなのに最も近いデータセンターが海外というのは致命的な遅延の要因だ。
日本を後回しにしたわけではなく、設備的な理由でできなかったのではないか。
そう考えると、らしくないと思っていた今回の違和感も「なるほど」となってくる。
そして、やはり日本は狙いたい市場であるから、こうしてデータセンターを作るという流れになったのではないだろうか。
もちろん、日本人ひいきな考え方が先行した意見であるかもしれないが、個人的には非常に納得している。
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