食道癌にまつわる諸々日記 1月10日 No2
引き続き入院中です。
夜あまり眠れませんが、さりとて昼間も全く眠くならないという事はどうした事ででしょうか。
多分、睡眠時間がこれで十分足りているという事なのでしょう。
普段は暇になると無条件で眠くなりますが、入院中は一日中暇なのに全く眠くなりません。
違いを思い浮かべると答えは一つ。仕事ですね。
得意な事を生業にしてバリバリやっているつもりですが、それでも疲れてるんだなぁと今は客観的に思ったりしています。だからこその癌ですが。
それでは前回の続きから。
主治医の先生が朝の巡回に来たのは手術から週があけた月曜日の朝でした。
普段ならベットから起き上がって挨拶の一つもする所ですが、その時はまだそんな気力もなく、横になったまま「大丈夫です….」的な返事をしたくらいでした。
そうすると先生は「今回は辛いでしょうね。前回より深く取りましたから」と言ったのです。
ええっ!だから前よりこんなに痛いのか!その事は術後に知りたかった!
ベットの中で三日の間、良くない事を色々考えてしまいました。
しかし、その後の方がもっと考えます。
「深くってどういう事?」「浅い所の癌だから取れば問題無い」って言ってたのに深くとは?「当初の想定より進行しているって事?」「結局、食道全摘?」他にも書いたら非常識だと怒られそうな事もあったりしつつ……
僕自身もあれこれ考えますが、妻は色々考えたようで抗がん剤始めるのではないか?とか言ってきました。それもなくも無いかもです。
答えは退院した後の外来まで教えてもらえません。
考えても無駄とは分かっていても、すっきりしない日々を当分過ごす事になってしまいました。
気の重くなる癌の話題はこのくらいにして、日々の雑感を最後に少し。
入院といえば病院食ですね。
僕も場合、食道を切っているという事もあり、基本的にはペースト状の物しか出ません。
元々有った形を根性で練り潰し原形を留めなくさせた後、それをもう一度小さな山の形に成形し直します。味付けは本来の食材の味とほんの少しの何か?が感じられる程度です。
他には良く言えばフワフワした、悪く言うと柔らかいだけの卵とかお豆腐です。味は無し。
ご飯も最初の二日は重湯と言ってご飯の香りのとろりとしたお湯です。そこに小さなパックの塩をチョイチョイ振りかけながらすすります。
普通だったら美味しく思えるはずはありません。僕も食事についてはうんざりだなぁという気持ちで入院しました。
ですが今回は違いました。その得体の知れないペースト状の何か?メニュー表には野菜の煮物としか書かれていない、多分里芋かと思われるその何かが美味しいのです。
大袈裟に言うと、素材本来の旨味が感じられるみたいな表現になるでしょうか。
多分違います。僕の舌は急にそんな敏感になっていませんし、ここは高級和食屋でもありません。ただの病院食です。
実際のところは、慣れてきただけだと思います。ここ最近で5回目の入院で、ほぼこちらの病院です。
まあ、そんな感じで食事も前程苦痛ではなく、おやつに出るアイスなんかを食べつつ、動画見たり本読んだりの日々を過ごしています。
今朝は退院は明日の土曜日との事でしたが、夜に何故か来週の月曜はどうかという話になってしまいました。看護師さんが伝えにきてくれたので訳は教えてくれません。
んんん……
体調の悪い時はそれどころでは無く、忘れているのですが、体調が良いと差額ベット代も気になり出します。ボケっとしているだけで一日ンン万円かぁ。
自分で選んでおきながら、情けない話ですが、こうゆう人間なのです。
なんとか頼んで退院を、一日早めの日曜にしてもらいました。
今回は以上にします。
次回は自分の癌の原因とその周辺についてあれこれについて書こうと思います。
テーマはズバリ食道癌とお酒。
こんな文章でも書き出すと4〜5時間平気でかかるので入院中は良さそうです。
では、また!