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食道癌にまつわる諸々日記 2月18日 No9

断酒生活 part4

帰り道に街頭放送が路上飲酒禁止を訴えていました。
その日はお酒の事をすっかり忘れていたのに、その放送を聞いて飲みたくなってしまいました。
身の回りに溢れるお酒の広告にはすっかり慣れて、心が反応しなくなりましたが、想定外の攻撃?には対応できないようです。焦燥感みたいなものが心に溢れます。
放っておいて欲しいのに、何かと世の中は僕を攻め立てて来ます。
逃げ場が有りません。

断酒仲間かと思いきや…..

最近後輩が僕と見習って断酒を始めたと報告して来ました。
辛い思いを先輩だけにさせる訳にはいかないなんて言っています。
冗談ですけど(笑
本当は、彼自身の中にも前からお酒を止めたい気持ちが有ったのだと思います。
そんな中でたまたま僕の話を聞いて、それを断酒のきっかけにしたのだと思います。
彼は、最近のノンアル飲料は美味しくなったと言って、色々試して楽しんでいる様子です。
そこで、体調に変化は有るかと聞いてみました。
すると、朝は確かに爽やかだけど、それ以外は別に変化ないとの答えでした。
お腹の調子とか食欲とかは、以前と何も変わらず少しガッカリした様子です。
彼も僕同様に若くは無く、食も細くなり昔と比べるとかなり痩せしまいました。腰も悪く、コルセットを常時着けたままの生活しています。
そのあたりが少しでも改善される事を期待していたのかもしれません。
しかし、朝の二日酔いが無くなった以外は特に変化を感じられない様子でした。

その話をしてから数週間後、断酒の経過を聞いてみました。
すると最近はノンアルに飽き、普通の炭酸飲料を飲んでいるとの事です。
ただ、次第にそれにも飽き、ある時炭酸に少しウィスキーを入れてみたらしいのです。
すると、とても美味しく感じて、やっぱりお酒が好きだと思ったとの事でした。
その瞬間、彼の断酒生活は終了しました。1ヶ月も保ちませんでした。

やはり、そうなのでしょう。
飲酒が体に悪いのは誰しも十分理解しています。ドーパミンは一時の錯覚なのも分かっています。
ですが、飲んだら美味しいのも事実です。
楽しかったり、ホッとしたり、気持ち良くなるのは確実なのです。
朝の不快感と引き換えにしても、そちらを取る人達は確実にいるのです。

後輩に関しては無理しなくて良いよ、としか思っていません。
彼自身にお酒で重大な問題が起きている訳では無いのに、我慢する必要はないと思います。
ストレスばかりの社会や生活の中で、ホッとする時間は誰しも欲しいはずです。

ここで自分の話ですが、とりあえず断酒は続いています。なんとか5ヶ月以上我慢出来ています。
先ほどの後輩とは違い、僕の場合は癌の原因なので飲む事はしません。
過度な飲酒は死に直結します。
少しなら大丈夫と先生は言いますが、その加減が出来る自信はありません。
止めるなら、完全に止めるしか僕には方法がありません。
ですが、今の自分の心の中には、飲み始める理由を常に探している自分が確実にいます。
激しいストレスや辛い出来事を待ち望んでいる変な気持ちが存在します。
心が折れる瞬間が早く来る事を願っているのです。
この最近始まった断酒というストレスから逃れたくってしょうがないのです。
飲酒の主な原因と思っている仕事は引き続き続けている上に、新たな断酒のストレスです。そう考えると以前よりストレスは増えているかもしれません。
僕の救いはどこに有るのでしょうか。

今日もこの辺でデエビゴを飲んで寝ます。おやすみなさい。


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