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NY音楽通信 10/21(月)〜10/27(日) 【Diana Ross、注目の若手Lilyisthatyou他】

オープニング

皆さまこんにちは、ニューヨーク音楽通信、第5回です。

毎週ニューヨークで行われるライブから、アーティストをいくつかをピックアップして紹介しています。

大きな会場だけでなく小さな会場も紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

配信は毎週日曜日ですので、その翌日、月曜日からの7日間のライブ予定を中心にお話しいていきます。

今回は大物としてはDiana Ross、そして、注目の若手としてトロントのポップ・スター、Lilyisthatyouを紹介します。

それでは、10/21(月)から10/27(日)の一週間どのようなショーがニューヨークで行われるのか見ていきましょう。


UBS Arena

まずは、ニューヨークのロングアイランドにあるUBS Arena。アイスホッケーのニューヨーク・アイランダーズの本拠地で、コンサート時は約2万人を収容できる大会場です。そして、ここで10/25-27(金-日)の3日間に渡ってライブを行うのは日本でも大人気K-PopグループのSEVENTEEN、通称セブチです。所属事務所はHYBE系列でBTSやNewJeansとも一応同じです。

SEVENTEEN

セブチは2015年に『Adore U』を表題曲とする『17 Carat』という音楽的にも完成度の高いEPでデビューしましたが、デビュー前から、オンライン・ストリーミングの番組『Seventeen TV』に出演して話題を集めていました。デビューEPの『17 Carat』は韓国4位、日本46位、ビルボードのワールド・アルバム・チャートで8位のヒットとなりました。

特徴的なのは、ボーカルチーム、ヒップホップチーム、パフォーマンスチームの3チームに分かれて、楽曲制作や振付、コンサートのセットリストまでをメンバーが担当していることでしょう。「自主制作ドル」の異名を持つとのことです。

13人のメンバー、3つのサブユニット、1つのチームの数字を足してセブンティーンというわけです。

アルバムで見ますと2016年の『Love & Letter』、2017年の『Teen, Age』、2019年の『An Ode (アン・オーデ)』が韓国、日本、アメリカのワールド・アルバム・チャートで上位にチャートインするヒットとなります。

そして、2022年の『Face the Sun』は韓国と日本で1位、全米でも7位の大ヒットとなりました。また、今年はツアーの名前にもなっているベスト・アルバム『17 Is Right Here』をリリースしており、全米5位を記録しています。

Bergen Performing Arts Center

続いてはBergen Performing Arts Centerです。ニュージャージーのEnglewood (エングルウッド)にあるキャパ1000人ちょっとの会場ですが、ここには10/27(日)にDiana Rossがやってきます。

Diana Ross

1944年デトロイト生まれで今年80歳です。ダイアナ・ロスは既に1959年からThe Primettes (ザ・プライメッツ)のメンバーとして活動していましたが、1961年にモータウンと契約し、かの有名なThe Supremesのメンバーとしてデビューします。Curtis Mayfieldなどと同じでドゥーワップからモータウンへ移行した人だったわけです。

意外と苦労していまして全米TOP 40に初めて入ったのは1963年の『When the Lovelight Starts Shining Through His Eyes (恋のキラキラ星)』でした。この曲はモータウンが誇るヒット・メーカー集団のホーランド=ドジャー=ホーランドによって作られた歌でした。

1964年の『Where Did Our Love Go (愛はどこへ行ったの)』は初の全米1位になりますが、これがシングル5連続1位の始まりでした。続けてリリースされた64年の『Baby Love』と『Come See About Me』、65年の『Stop! In the Name of Love』と『Back in My Arms Again』はどれも全米1位です。

1966年には『You Can't Hurry Love (恋はあせらず)』が全米1位を獲得するなどの活躍がありましたが、1967年にはDiana Ross & The Supremesとグループ名を変えます。そして、グループの人気が衰えた1970年にはDiana Rossは脱退してソロ・キャリアを始めました。

1970年にはデビュー・アルバム『Diana Ross』をリリース。収録されていた『Ain't No Mountain High Enough』はソロとしては初の全米1位を獲得しました。

また、1971年にはモータウンのCEO、ベリー・ゴーディと結婚しています。

その後も全米1位のシングルとしては73年の『Touch Me in the Morning』、75年の『Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To)』、76年の『Love Hangover』、80年『Upside Down』、81年、ライオネル・リッチーとコラボした『Endless Love』があります。

合計で18のシングル・ナンバーワンを獲得していて、これThe Beatlesに次ぐ2位の記録とのことです。

59年のドゥーワップ時代から、60年代から70年代にかけてはモータウン時代の立役者になり、70年代後半にはディスコ・チューンでヒットを飛ばすなど本当にソウル・ミュージックの歴史を体現している人です。

Beacon Theater

10/21-22(月-火)はAir、10/23(水)はクリチャン・ミュージックのBethel Musicがショーを行います。

Air

フランスはヴェルサイユ出身のNicolas Godin (ニコラス・ゴディン)とJean-Benoît Dunckelからなるエレトロニック・デュオです。結成は1995年で、アルバム・デビューは1998年です。デビュー・アルバムの『Moon Safari』はヨーロッパを中心にヒットしました。アルバムとしてはその後2001年の『10,000 Hz Legend』、2004年の『Talkie Walkie』、2007年の『Pocket Symphony』、2009年『Love 2』、2012年『Le voyage dans la lune』をリリースしていますが、全体的にはゆったりとした優しいサウンドが特徴です。

Baby’s All Right

ブルックリンにあるキャパ280人のこじんまりしたところですが、設備が整っていて良いと評判のところです。バーとラテンアメリカ料理のレストランも併設されているとのことです。

ここにはたくさんのアーティストが来ますが、10/22(火)にライブを行うLilyisthatyouをピックアップしたいと思います。

Lilyisthatyou

LilyisthatyouはLily Daviesというトロント出身のシンガー・ソングライターのステージ・ネームです。

音楽的には、インディー・ロック、ヒップホップ、ダンス・ミュージックの影響が伺えます。最も有名なのはおそらく2020年の『F.M.R.N.』という曲で、ストリーミングで数百万回再生のバイラルヒットでした。『F.M.R.N.』はFuck Me Right Nowの頭文字で、全体的にバッド・ガール的な曲が多いイメージですね。子供の頃は、アヴリル・ラヴィーン、ブリトニー・スピアーズ、リアーナを聞いていたとのことで、何となくそのラインの人な気がしますね。

その後も『Party 22』などシングルをリリースし、2022年には『The Character』というEPでデビューしました。このEPには『F.M.R.N.』の他にも『Bad Energy』や『LSD』といった曲が収録されています。

そして、今年には初のスタジオ・アルバムだと思いますが『Painful Euphoria』をリリースしています。

エンディング

以上、来週ニューヨークで行われるライブからアーティストいくつかピックアップして紹介しました。

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