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英語の数え歌とアメリカン・ポップス

以下の歌詞を聴いて何を思い浮かべるでしょうか?私は断然Carl Perkins/Elvis Presleyの『Blue Suede Shoes』ですが、テイラー・スウィフトの『Champagne Problems』という人もいるかもしれません。

One for the money,
Two for the show,
Three to make ready,
And four to go.

数え歌としての「One for the money…」

しかし、この歌詞は1820年代からアメリカで受け継がれる子供たちの数え歌だったそうです。様々なバージョンがあるそうですが、最もよく知られている上のバージョンはニューヨークで出版された『The Counting-Out Rhymes of Children』(1888年)に記録されています。

徒競走のスタート時や子供をブランコに乗せるときに使われていたらしく、Carl Perkinsが1955年に、Elvis Presleyが1956年に『Blue Seude Shoes』をヒットさせた後は、人々がお金を数える時のキャッチフレーズとなったようです。

YouTubeで見つけた以下の『トムとジェリー』での使用例では普通のカウント・アップとして使われています。

ポピュラー音楽での使用

初期の使用例は以下のようにロックンロールが中心ですが、ヒップ・ホップ、ロック、ポップスにも幅広く使用されています。

初期の使用例

  • Hal Singer (1950)『Rock Around the Clock』

  • Bill Haley & His Comets (1953)『Whatcha Gonna Do』

  • Oscar McLollie (1955)『Roll Hot Rod Roll』

  • Carl Perkins (1955)『Blue Suede Shoes』

  • Elvis Presley (1956) 『Blue Suede Shoes』

ヒップ・ホップにおける使用例

  • Spoonie Gee『Spoonin' Rap』

  • Das EFX『Jussummen』 

  • Erick Sermon『Bomdigi』 

  • Outkast『Elevators (Me & You)』 

  • Ras Kass『Anything Goes』 

  • Ice Cube『Go to Church』 

  • MF Doom『All Outta Ale』

  • Tyler, the Creator『Boyfriend/Girlfriend』

ポップスにおける使用例

  • Taylor Swift『Champagne Problems』

  • Lana Del Rey『Million Dollar Man』

ロックにおける使用例

  • Warrant『Sure Feels Good to Me』 

  • Aerosmith『Let the Music Do the Talking』 

  • Skid Row『Piece of Me』

One Mississippi

ちなみに、2021年にKane Brownがヒットさせた『One Mississippi』というカントリー・ナンバーがありましたが、この「One Mississippi, two Mississippi …」というのも数え歌です。時計がなくても正確に1秒を測る方法として信じられているそうです。

参考文献


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ポピュラー音楽通信
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