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NY音楽通信 10/7(月)〜10/13(日)

Mixcloudに公開した『NY音楽通信 10/7(月)〜10/13(日)』のスクリプトです。

オープニング


皆さまこんにちは、ニューヨーク音楽通信、第三回目です。

このプログラムでは、毎週ニューヨークで行われるライブから、アーティストをいくつかをピックアップして紹介しています。

大きな会場だけでなく小さな会場も紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

配信は毎週日曜日ですので、その翌日、月曜日からの7日間のライブ予定を中心にお話しいていきます。

今回はMadison Square GardenのStevie Wonder、Prudential CenterのBillie Eilishなどを取り上げ、プログラムの最後にはニューヨークでライブを行う日本人も紹介します。取り上げるのは、細野晴臣がプロデュースした1972年のデビューアルバム『み空』で知られるSachiko Kanenobu、金延幸子です。

オープニング曲はニューヨークにちなんでJAY-Z feat. Alicia Keysの『Empire State of Mind』です。

それでは、10/7(月)から10/13(日)の一週間どのようなショーがニューヨークで行われるのか見ていきましょう。

Madison Square Garden

まずはMadison Square Gardenです。

Stevie Wonder

ここには、10/10(木)にStevie Wonderがやって来ます。1950年ミシガン州生まれで11歳のときにモータウンのタムラ・レーベルと契約。1962年にLittle Stevie Wonderとしてデビュー。1963年のライブ・アルバム『Recorded Live: The 12 Year Old Genius (12歳の天才)』がビルボードで1位を獲得。そこからシングルカットされた『Fingertips』も全米1位となりました。その後は皆さんの知るところだと思いますが、1966年アルバム『Up-Tight』も大ヒットとなります。

その後、モータウンと契約を結び直し、より自由に、高いロイヤリティで仕事ができるようになったことで、スティービーは黄金時代に入っていきます。

1972年は『Superstition (迷信)』や『You Are the Sunshine of My Life』が収録されているアルバム『Talking Book』。1973年は『Higher Ground』や『Living for the City (汚れた街)』が収録されているアルバム『Innervisions』。そして『You Haven't Done Nothin'』を収録した1974年の『Fulfillingness' First Finale』。1976年、The Eaglesの『Hotel California』とビルボードの首位を争った『Songs in the Key of Life』など、今日まで知られる名盤を連発します。最後に紹介した『Songs in the Key of Life』には人気の高い『Sir Duke (愛するデューク)』や『Isn't she Lovely (可愛いアイシャ)』も収録されています。

それでは、お聞きいただくのは『Sir Duke (愛するデューク)』。

お聞きいただいたのはStevie Wonder、1976年の『Sir Duke (愛するデューク)』でした。DukeというのはDuke Ellingtonのことで、1974年に亡くなった彼へ捧げる歌でした。

Prudential Center

続いてはPrudential Center。キャパ約2万人を誇るニュージャージー州ニューアークの会場です。

ここには、10/8(火)はJustin Timberlake、10/9(水)はBillie Eilishがやって来ます。

Billie Eilish

今回はBillie Eilishを紹介したいと思います。

2001年ロサンゼルス生まれで、2015年、13歳の時にSoundCloudにアップロードした『Ocean Eyes』を皮切りに、2017年のEP『Don't Smile at Me』をヒットさせます。2018年にはKhakidとコラボしてシングル『lovely』をリリース。

2019年には『bad guy』を収録したデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』をリリース。

アルバム・リリースとしては、2021年に『Happier Than Ever』、今年5月に『Hit Me Hard and Soft』をリリースしています。

それでは、デビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』から『bad guy』と最新アルバム『Hit Me Hard and Soft』から『BIRDS OF A FEATHER』をお聞きください。


お聞きいただいたのはBillie Eilishで『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』から『bad guy』と最新アルバム『Hit Me Hard and Soft』から『BIRDS OF A FEATHER』でした。

Brooklyn Paramount

続いてはブルックリンにある最大キャパ2000人の会場Brooklyn Paramountです。ここでは、10/7(月)にSting、10/8(火)にJohnny Marr & James、10/9(水)と10(木)は再びSting、10/11(金)はPablo Lopez、10/12(土)はDanny Ocean、10/13(日)はMarcus Kingのライブが予定されています。

Danny Ocean

この中から取り上げるのはDanny Oceanです。1992年生まれのベネズエラのシンガー・ソングライター、プロデューサーです。2009年からプロとしての音楽キャリアを始めていて、2016年に発表された『Me Rehúso (メ・レウソ)』が最もよく知られています。これは大ヒットとなり、Spotifyでは全てのラテンアメリカの国でチャートインしました。2017年には英語版の『Baby I Won't』としてもリリースされています。

それでは、その『Me Rehúso (メ・レウソ)』をお聴きいただきましょう。

Webster Hall

次はニューヨークのEast Villegeにあるキャパ1500人のライブハウス、Webster Hallです。ここは、80年代から90年代初頭にかけては同じ場所にThe Ritzというライブハウスがありました。このThe RitzはMTVが『Live at The Ritz』というシリーズを放送していたことで有名で、Guns N' RosesやIggy Popもライブをしたことがある場所です。

そんな歴史あるこの会場では、10/7(月) Julien Barker、10/8(火) Ravyn Lenae (ラヴィン・リニー)、10/10(木) The California Honeydrops、10/11(金) John Vincent IIIとParra For Cuva (パラ・フォル・クバ)、10/12(土) The Lemon TwigsとNero、10/13(日)はKameron Marlowe (キャメロン・マーロウ)

この中から紹介するのはRavyn Lenae (ラヴィン・リニー)、The California Honeydrops、そして、The Lemon Twigsです。

Ravyn Lenae

まずは、1999年シカゴ生まれのR&Bシンガー、Ravyn Lenae (ラヴィン・リニー)。

この人は2015年にEP『Moon Shoes』でデビュー。当初は無料配布でしたが、のちにAtlanticとThree Twenty Three Music Groupからリリースされています。

スタジオ・アルバムとしては2022年の『Hypnos (ヒップノーズ)』と今年8月の『Bird's Eye』をリリースしています。

それでは、お聞きいただくのは最新アルバム『Bird's Eye』から『Love Me Not』

Ravyn Lenaec (ラヴィン・リニー)で『Love Me Not』をお聞きいただきました。

The California Honeydrops

続いて、The California Honeydropsは2007年結成の、ブルースやR&Bなどを演奏するトラディショナルなアメリカン・サウンドのバンドです。

デビューアルバムは2008年の『Soul Tub!』で現在までに9枚のアルバムをリリースしていますが、最新アルバムは今年リリースの『Keep On Diggin'』です。

お聞きいただくのは、その『Keep On Diggin'』から『Good Enough』です。

お聞きいただいたのはThe California Honeydropsで『Good Enough』でした。

The Lemon Twigs

そして、Webster Hallから最後に紹介するのはThe Lemon Twigsです。このバンドはBrianとMichaelのD'Addario兄弟からなるロック・デュオで、ニューヨークのロングアイランド出身です。

音楽的にはThe BeatlesとThe Beach Boysの影響が伺えるポップ・ロック的なサウンドが特徴で、自ら自分たちの音楽を「Mersey Beach」と呼んでいるとのことです。Elton Johnも賛辞を送る注目のバンドです。

デビューは2016年で、そこから5枚のスタジオ・アルバムを発表していますが、最新アルバム『A Dream Is All We Know』から『They Don't Know How to Fall in Place』をお聴きいただきましょう。

お聞きいただいたのはThe Lemon Twigsで『They Don't Know How to Fall in Place』でしたが、まさに「Mersey Beach」といった感じの曲でした。

Bowery Ballroom

続いての会場、Bowery Ballroomはマンハッタンにあるキャパ575人のライブ会場です。ライブ会場としてのオープンは1998年ですが、建物自体は1929年に建てられたとのことで、歴史ある会場です。

10/7(月)にはJOBA、10/8(火)はDASHA、10/9(水)はJake Bugg、10/10(木)と10/11(金)はNick Lowe (ニック・ロウ) & Los Straitjackets (ロス・ストレイトジャケッツ)、10/11(金)はAaron FrazerとTravis Percyのライブが予定されています。

Aaron Frazer

この中から紹介するのは、インディアナ州のソウル・リバイバル・バンド、Durand Jones & the Indicationsの元ドラマー兼シンガーとして知られるAaron Frazerです。

Aaron Frazerは2020年にバンドを脱退して、2021年にソロ・デビュー・アルバム『Introducing…』をリリース。その後もIndicationsとの活動は続けていまして『Private Space』を2021年に共同でリリースし、今年2024年にはソロ・セカンド・アルバム『Into the Blue』をリリースしています。

それでは、2021年のIndicationsとのアルバム『Private Space』から『Witchoo (ウィッチュー)』と最新のソロ・アルバム『Into the Blue』から『Time Will Tell』。


お聞きいただいたのは、Durand Jones & the Indications featuring Aaron Frazerで『Witchoo (ウィッチュー)』とAaron Frazerで『Time Will Tell』でした。

The Sultan Room

次に紹介する会場はブルックリン、ブッシュウィックのキャパ200人の会場、The Sultan Roomです。

ここでは、10/8(火)にはDelicate SteveとJackie West、10/9(水)は同じくDelicate SteveとKaty Pinke、10/10(木)はEMEFE (エム・エフ・エー)、10/11(金)はLiz Cooper、Dari Bay、Slark Moan、10/12(土)はBears in Trees、MOTHÉ (モゼ)、Thank You, I'm Sorry、10/13(日)はMelanie Maclaren (メラニー・マクラーレン)のライブが予定されています。

Delicate Steve

ここから紹介するのはDelicate Steveです。Delicate Steveというのは、ニュージャージーを拠点とするギタリスト兼ソングライターのSteve Marionのステージ・ネームですが、音楽的にはDirty ProjectorsやVampire Weekendのようなアフリカの影響を受けたポップ・サウンドや実験的なサウンドが特徴のインストゥルメンタル・ロックです。

デビュー・アルバムは2011年の『Wondervisions』で、そこから2017年の『This Is Steve』、2022年の『After Hours』といったアルバムをリリースしています。また、Paul Simonのアルバムに参加するなどスタジオ・ミュージシャンとしても活躍しています。

それでは、2011年のアルバム『Wondervisions』から『Wondervisions』と、2022年の『After Hours』から『I Can Fly Away』をお聞きください。


お聞きいただいたのはDelicate Steveで『Wondervisions』と、『I Can Fly Away』でした。

日本人/日系人 in NY

ここで最後に、ニューヨークで公演を行う日本人アーティストを1人紹介したいと思います。

Sachiko Kanenobu (金延幸子)

10/7(月)に昔Village Gateがあった場所に建てられたLe Poisson Rouge (ル・ポイスン・ルージュ)という会場で、1972年のデビューアルバム『み空』で知られるSachiko Kanenobu、金延幸子がライブを行います。

『み空』は「日本初のインディーズレーベル」と言われるアングラ・レコード・クラブ、いわゆるURCからリリースされ、今でもカルト的な人気を誇るアルバムです。

プロデュースは細野晴臣、収録曲の『空はふきげん』は作曲、大瀧詠一、『青い魚』のギターは鈴木茂と、はっぴいえんどの影響が色濃いアルバムですが、ここから『道行き』と『はやぶさと私』をお聞き頂きましょう。『はやぶさと私』は8分の大作です。


お聞きいただいたのは 金延幸子の『み空』1972年から『道行き』と『はやぶさと私』でした。

エンディング

そして、エンディングのお時間です。エンディングでもニューヨークにちなんだ曲を流しています。お聞きの歌は、Madison Square Gardenの最多公演記録を持つBilly Joelの1976年の名曲『New York State of Mind』です。それでは、また来週。

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