NY音楽通信 10/14(月)〜10/20(日)
MixCloudに公開した『NY音楽通信 10/14(月)〜10/20(日)』のスクリプトです。
オープニング
皆さまこんにちは、ニューヨーク音楽通信、第4回目です。
毎週ニューヨークで行われるライブから、アーティストをいくつかをピックアップして紹介しています。
大きな会場だけでなく小さな会場も紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
配信は毎週日曜日ですので、その翌日、月曜日からの7日間のライブ予定を中心にお話しいていきます。
今回はMadison Square GardenからMaggie Rogers、Brooklyn ParamountからShawn Mendes、そして、Brooklyn Steelからは、細野晴臣さんをはじめとする日本の音楽に強い影響を受けているGinger Rootを紹介します。
オープニング曲はニューヨークにちなんでJAY-Z feat. Alicia Keysの『Empire State of Mind』です。
それでは、10/14(月)から10/20(日)の一週間どのようなショーがニューヨークで行われるのか見ていきましょう。
Madison Square Garden
今週のMadison Square Gardenは、10/16-18(水-金)はBillie Eilish、10/19-20(土-日)のMaggie Rogersです。Billie Eilishは先週Prudential Centerでライブをやっていまして、その時に紹介しましたので、今回はMaggie Rogersを紹介します。
Maggie Rogers
1994年メリーランド州生まれのシンガーソングライター兼プロデューサーです。知名度を上げたきっかけは、ある動画だったんですが、それは、ニューヨーク大学でPharrell Williamsが主催する授業がありまして、そこで学生だった彼女が『Alaska』という曲を聴かせたところPharrell Williamsが泣きそうになりながらその曲を絶賛したというものでした。
彼女の音楽は基本的にはフォーク・ミュージックですが、ダンス・ミュージックの要素も取り入れられています。
ニューヨーク大学卒業後はハーバードの大学院に行って研究を行うなど、インテリの側面も持っています。
2019年にCapitolからリリースされた『Heard It in a Past Life』は全米2位、その年のグラミー賞で最優秀新人賞にノミネートされています。
2020年は、自身のレーベルであるDebay Sounds (ドゥベイ・サウンズ)から『Notes from the Archive: Recordings 2011–2016』、2011年から2016年の、メジャーレーベルからデビューする前の曲を集めたアルバムをリリースしました。
2022年にセカンドアルバム『Surrender』をリリース、今年4月にはアルバム『Don't Forget Me』をリリースし、全米48位のヒットとなっています。
それではお聞きいただくのは、Maggie Rogersの出世作である『Alaska』と最新アルバムから『Don't Forget Me』。
Maggie Rogersで『Alaska』と『Don't Forget Me』をお聞きいただきました。
Prudential Center
続いてはキャパ2万人の大会場、Prudential Centerです。ここは、10/17(木)はコンテンポラリー・ワーシップ・ミュージック、日本語では現代的礼拝音楽の歌手であるBrandon Lake、10/18(金)はメキシコのシンガー・ソングライターJunior H、10/20(日)はこちらもメキシコのシンガー・ソングライターのChristian Nodalがやって来ます。
Brandon Lake
この中から今回はBrandon Lakeを取り上げたいと思います。
この人は1990年、サウス・カロライナのチャールストンの生まれ。2016年、クラウド・ファンディングで資金を集めて、デビュー・スタジオアルバム『Closer』を自主リリースします。その後、2019年にクリスチャン・ミュージックのレーベルBethel Musicと契約してシングル『This is a move』をリリースします。これは、Tasha Cobbs Leonardのカバーでしたが、見事にヒットし、2020年のBest Gospel Performance/Songにノミネートされます。
2020年にはセカンド・アルバム『House of Miracles』をリリースし、ビルボードのトップ・クリスチャン・アルバム・チャートで6位。また、Elevation Worshipの『Graves into Gardens』に参加し、Hot Christian Songsチャートで1位、また、ビルボードのHot 100に入っていないシングルを対象にしたBubbling Under Hot 100で2位の大ヒットとなります。
2022年には3枚目のスタジオ・アルバム『Help!』、2023年には4枚目のスタジオ・アルバム『Coat of Many Colors』をリリースしています。
それでは、Brandon LakeでElevation Worshipとコラボした『Graves into Gardens』とセカンド・アルバムからシングルカットされてHot Christian Songsチャートで1位を獲得した『Gratitude』。
お聞きいただいたのはBrandon LakeとElevation Worshipで『Graves into Gardens』、そしてBrandon Lakeで『Gratitude』でした。
Brooklyn Paramount Theater
続いてはBrooklyn Paramount Theater。この場所は1928年に建てられた歴史ある会場で、改装を経て今年3月に再オープンしました。キャパは2700人とのことです。
アメリカの音楽史においても重要な場所で、1931年にはDuke Ellingtonが公演を行い、ブルックリンのオーディエンスにジャズを紹介し、1943年にはユダヤ系のイディッシュ音楽、そして、1950年代にはロックンロールのコンサートが行われました。
そんな歴史あるこの会場では、10/15-16(火-水)はアイルランドのポスト・パンク・バンド、Fontaines D.C. (フォンテインズD.C.)、10/17(木)は1998年ケンタッキー生まれのラッパー、シンガー、Jack Harlow、10/18(金)はカナダ出身の大スター、Shawn Mendes、そして、10/19-20(土-日)は南アフリカ出身のカントリー・ミュージシャン、Orville Peck (オーヴィル・ペック)がやって来ます。
この中からFontaines D.C. (フォンテインズD.C.)とShawn Mendesを取り上げたいと思います。
Fontaines D.C.
先ほども言ったようにFontaines D.C. (フォンテインズD.C.)はアイルランドのポスト・パンク・バンドで、デビューは2019年と若手のバンドです。デビューアルバムの『Dogrel (ドッグレル)』はアイルランド、スコットランド、イギリスのチャートでトップ10入りするなど、かなりの好評を博しました。BBC Radio 6 Musicのプレゼンターが選ぶAlbum of the Yearにも選出されています。
2020年にはセカンド・アルバム『A Hero's Death』をリリース。これはグラミー賞のBest Rock Albumにノミネートされました。
サード・アルバム『Skinty Fia (スキンティ・フィア)』はアイルランドとイギリスのアルバムチャートで1位を獲得する大ヒット。Brit Award for International Groupを獲得しています。
今年8月には4枚目のアルバム『Romance』をリリースしています。
それではお聞きいただくのは、最新アルバム『Romance』の最後のトラック、爽やかな曲調の『Favourite』。
Fontaines D.C.の最新アルバム『Romance』から『Favourite』をお聞き頂きました。
Shawn Mendes
Brooklyn Paramountから次に紹介するのはShawn Mendes。1998年、トロントの出身。Youtubeにあげていた動画がきっかけでIsland Recordsとの契約に至りました。4つ先輩のJustin Bieberと同じ流れですが、Justinが所属していたのもIsland Recordsでした。
また、Island RecordsというとSabrina Carpenterとも同じわけですが、この2人は付き合っていたなんて噂もありますね。Shawn Mendesといえば『Señorita』でコラボしたCamila Cabelloと別れたり復縁したりしているというのが有名ですが、CamilaとSabrinaがShawn Mendesを巡って争っているなんていう話もありますし、Sabrinaの『Taste』はShawn Mendesについての歌だという話もあります。アメリカの芸能界らしい話ですね。
Shawn Mendesのデビューは、2014年のシングル『Life of the Party』。15歳にしてビルボードのHot 100で24位を記録します。その後、2015年にアルバム『Handwritten』をリリース。ここからシングルカットされた『Stitches』は全米4位のヒット。アルバムとしては、その後も2016年に『lluminate』、2018年に『Shawn Mendes』をリリース。初めの3枚のアルバムはどれも全米ナンバーワンを獲得するという偉業を達成しています。そしてその後にも2020年にアルバム『Wonder』をリリースしています。
お聞きいただくのはセカンド・アルバム『lluminate』から『There's Nothing Holdin' Me Back』とサード・アルバム『Shawn Mendes』から『Lost in Japan』。
お聞きいただいたのはShawn Mendesで『There's Nothing Holdin' Me Back』と『Lost in Japan』。『Lost in Japan』はR&Bっぽくてファンキーなベースが印象的な曲ですが、Justin Timberlakeのアルバム『Justified』からインスピレーションを受けたとのことです。
Brooklyn Steel
そして、最後のライブ会場です。最後は、元は鉄工所があった場所に建てられ、Rolling Stone誌が選ぶ音楽会場ベスト10にも入っているBrooklyn Steelです。ここでは、10/17(木) Ginger Root、10/18(金) salute、10/19(土) Eli & Fur、10/20(日) DEHDのライブが予定されています。
Ginger Root
カリフォルニアを拠点に活動するCameron Lewの音楽プロジェクトで、日本の音楽から強く影響を受けていることで知られています。日本人ですと、特に細野晴臣さんからの影響が大きいとのことです。Apple MusicのTokyo Highway Radioでも取り上げられていましたので知っている人も多いのではないでしょうか。
アルバムとしては、2017年に『Spotlight People』、2018年に『Mahjong Room』、2020年に『Rikki』、そして今年9月に『Shinbangumi』をリリースしています。今回のライブも『Shinbangumi』のお披露目ツアーです。
オープニングアクトを務めるのは、昭和フリークとして知られるシンガーソングライター、マルチクリエーターのアマイワナです。
それでは、Ginger Rootで2021年のEP『City Slicker』から『Loretta』、『Shinbangumi』から『No Problems』。そして、オープニング・アクトを務めるアマイワナで2023年のアルバム『Sweet, Sweet, Sweet』から『Jane』。3曲続けてお聞きください。
Ginger Rootで『Loretta』と『No Problems』、アマイワナで2023年のアルバム『Sweet, Sweet, Sweet』から『Jane』をお聞き頂きました。
Ginger Rootの曲は個人的には筒美京平さん、もしくはフィラデルフィア・ソウルっぽい華麗なストリングスが印象的です。
アマイワナの『Jane』は『美味しんぼ』のエンディングで流れていてもおかしくないような見事なレトロ風・チューンだったかと思います。
エンディング
そして、ここでエンディングのお時間です。ニューヨークにちなんでBilly Joelの『New York State of Mind』でお別れです。それでは、また来週。
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