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【Web業界のコツ】オフショア開発に失敗しないための123

人件費が比較的安い地方などに発注するのをニアショア。

さらに安い人件費を求めて海外に発注することをオフショアと呼びますが、このオフショアは多くのトラブルを発生させてしまい、人によっては「もう二度とごめんだね!」と強いトラウマになっている人もいるくらいです。

オフショアにおけるトラブルは殆どが【文化の違い】から発生するミスコミュニケーションが原因です。

検討する際は中国、ベトナム、インドなどの国に発注することが多いと思いますが、この文化の違いといった視点注意して以下の1~3を読んでみてください。

1.全てを言語化!阿吽の呼吸?何それ美味しいの?

日本人は一を聞いて十を知ることを美徳と考える風潮がありますが、こと制作や開発においては害でしかありません。

ただ、悲しいことにその察する力込みでドキュメントが上がってくることが多くあります。

「ここは前のページと一緒だから詳細記載しなくていいだろ」

「構成同じだからテンプレート化しておいてくれるだろ」

「色の指定しなくてもよろしくやってくれるでしょ」

書き手に悪意はないのですが、受け手の察する力を想像しながらいくつかの重要ではない記載を省略したものを作成してしまいます。

本質的には非常に問題なのですが、日本人同士で作業をしている場合はその問題が察する力でリカバーできてしまうことがさらに問題を根深くしてしまっています。

そうやって察する力になれてしまった人がオフショアを行うと100%トラブルを発生させます。誇張などではなく100%です。

海外に作業をお願いする場合は、すべてをドキュメント化する必要があります。

ドキュメント化されていないことは彼らからすると「する必要のない」作業です。むしろ勝手に判断したとして怒られるとすら思っているような気がします。

例えば商品説明ページに「この説明テキストはサンプルです。本番公開時は削除してください。」と記載するとそのままそのテキストが入ったページが上がってきます。作業する人が日本語を理解していたとしても、です。

私はこれは能力の問題ではなく文化の問題だと思っていますので、これは彼らを怒ったり教育するべき事項ではありません。

発注側が全てを記載したドキュメントを作ることでしか防ぐことはできませんので、オフショアをする際はしっかりとしたドキュメントを作ることでトラブルを未然に防ぎましょう。

2.究極のボトルネック!現地PMの負荷は大丈夫?

オフショアプロジェクトを進行する際に、担当が最もコミュニケーションを行うのが現地のPM(プロジェクトマネージャ)さんです。

大体日本語を使える方が多いのですが、日本側からの指示を現地メンバーに伝えるとても重要なポジションです。

しかしプロジェクトが炎上するとこの現地PMさんはみるみる疲弊していきます。

これは日本側からの指示を現場に伝える役目と並行して、現場から上がってきた成果物をチェックするQC(クオリティコントロール)の役目も果たしていることが原因です。

1で説明をした察する力は日本語を習得した方であれば多少できてしまうことが現地PMの疲弊に輪をかけてしまいます。

ドキュメントに記載されていないことの抜け漏れを確認したり、クライアント側の意図を汲めているかを確認することが出来るのは現地ではこの現地PMさんだけです。

この現地PMさんがボトルネックになってしまうのは、全てのコミュニケーションロスを彼が一手に引き受けてしまっているのが原因なので、ここをヘルプするために発注側のPMがベンダー側の国へ出張するといきなり解決したりもします。

これは1でしっかりとドキュメントを作って指示することも重要なのですが、現場から上がってきた成果物のチェック機能を発注側で肩代わりすることで現場PMの負担を減らし、結果としてスピードと精度を上げることができるようになります。

「そんなことするなら国内でやるよ」

そう思う気持ちもわかります。

しかしオフショアは国内と同じ進め方がそもそも出来るものではないという大前提を最初から理解していれば多くの問題を回避することが可能です。

例えばコストを計算する際には、現地PMの作業を肩代わりするといった国内開発では発生しないコストも含めて検討する必要があります。

そのような前提をしっかりと認識することで、適切なコスト計算もできますし、リスクマネジメントを容易にします。

3.文化の違いの中にある文化の違い

最も重要なポイントなので文化の違いだけ抜き出して記載をします。

日本語ができる現地PMと話していると忘れがちになってしまいますが、現場は異文化です。

文化的、宗教的なお休みなどや残業に対しての考え方などが全く違います。

グローバルなプロジェクトで実際にあったのですが、年末年始の進行で、

アメリカのクライアント:クリスマス休暇は前倒しして取るから、確認や承認は出来ないよ

日本の代理店:年末年始は絶対に仕事しないよ

中国の開発会社:旧正月前後は絶対に動かないからね!

と、12月中旬から2月までプロジェクトの進行がびっくりするくらい止まってしまったことがあります。

これはもう文化としてどうしようもないことなので、そういうものとして進める必要があります。

この文化の違いを全て理解することは不可能ですが、多少なりともすり合わせるために定例会などで現場メンバーとのコミュニケーションをしっかりとってください。

定例会では本来の仕事に関しての話もとても重要なのですが、今回おすすめしたいこととは雑談です。

雑談をすることで相互への理解が進みますし、現場の人たちも皆さんのことを知ることでプロジェクトとしての結束力が高まります。

結束力はプロジェクトの炎上を防ぐ魔法のスパイスです。

常に文化の違いを認識し、相手のことを理解するための一見無駄な時間を取り、結束力を高めることで、ちょっとした疑問などを気軽に聞ける土壌が出来ます。

このちょっとした疑問を聞けることがボタンの掛け違いを防ぎ、コミュニケーションロスを埋め、結果として炎上を未然に防ぐことが出来ます。

まだまだオフショアで気を付けなければいけないことは多くあるのですが、この3点を意識するだけでプロジェクトのリスクは劇的に低くなります。

弊社でも多くのオフショアプロジェクトを手掛けておりますので、何かあれば是非お問い合わせください。


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