トラブルが起きた時ほどこの言葉を思い出します
この記事の作成担当:株式会社テンタス 代表取締役 小泉智洋
私は小さいころから真面目だったことは一度もなかったはずなのですが、フィリピンから日本に帰国して普通に仕事をし始めた2001年頃から、道を外れて生きていたからこその変なプライドが人一倍強いという非常に面倒な生き物になってしまっていました。
その頃の性格は結構攻撃的だったような気もしますし、そのせいで周囲の人にはめちゃめちゃ迷惑をかけてしまっていました。
どんな感じの半生だったかはこの記事をご覧ください。
当時は自分のキャパより上のことに挑戦するのが当たり前のことだと思ってましたし、常に前進し続けていないと崖から落ちてしまう気がする一種の強迫観念に憑りつかれてしまっていたような気がします。
それらは私を大きく成長させてくれたキッカケでもあるので否定はしないのですが、結果として2回ほど鬱になってしまったり、ストレスで胃潰瘍になってしまい1か月に10キロ痩せたりと心と体がボロボロになってしまった時期もありました。
そんな時期に当時の上司がそれとなくいった一言が私の精神性を大きく変えるきっかけになりました。
私の仕事はウェブサイトやシステムなどの制作・開発を行うことなのですが、とある案件で大きなトラブルを起こしてしまい連日その対応に追われていて2か月連続で月間400時間労働という労働基準法もビックリの勤務をしていました。
会社近くのカプセルホテルに泊まれるなら良い方で、連日デスクの下で仮眠を取る日々が続いていました。
もう心も体も摩耗していて、正直パフォーマンスも激減してしまいミスを重ねてそれでさらに忙しくなってしまうという悪循環に陥っていました。
今であればちゃんとパフォーマンスを維持できるように睡眠を取ることで結果として仕事のクオリティが維持できると思うのですが、その当時は視野が目の前のことだけになってしまい、無理に無理を重ねてしまっていました。
そんな時に当時の上司が言った一言が忘れられません。
その一言を紹介する前に、上司について少しだけ。
その上司はIT系の会社なのにパンチパーマですし、ちょっと(相当)下品な発言が多いですし、酒癖はなかなかの悪さですが、みんなから【親分】と慕われているザ・昭和な上司でした。
ここでは便宜上親分と呼ばせてもらいます
親分はフィリピンから帰国して1社目の上司ですし、私が身体を壊して1社目を辞めた後に、2社目に誘ってくれたのも親分でした。
まぁ親分は1社目は私が入社してから数年して社長と喧嘩して会社を辞めてしまい、転職した2社目も私が入社してから1年も経たずに同じような感じで子会社に転籍になってしまったんですけどね。
そんな親分が深夜にトラブル対応でボロボロの私の席にリポビタンDをそっと置いて一言
お前、試されてとんなぁ~
正直聞いたときは「は?」って思いましたよね。何いってんだこの人?って。
その時はその言葉は記憶には残りましたが、自分の心には残ってませんでした。
ただ、年々少しずつですがこの言葉が心に浸透してくるようになってきました。
試されているというのは、別に会社やお客さんに試されているということではなく、人生という長い劇場の中で神様でも何でもいいのですが、そんな存在に試されているという視点を持つことで、自分のことを少しだけ俯瞰的に見ることが出来るようになるための言葉です。
そして仕事を俯瞰的に見た時にこう思えるようになりました。
しょせん仕事じゃん
仕事を踏ん張ることでプライドを維持していた自分が本当に少しずつですがほぐれていったキッカケが親分の言葉でした。
これは別に仕事に対して本気にならないとか手を抜くといった頑張らなくさせる言葉ではありません。
心を守る言葉です。
どんな仕事でもいろんなストレスがあると思います。
食べるために歯を食いしばって踏ん張らないといけない時も多くあります。
でも、それと引き換えに精神の大事な部分までゴリゴリ削る必要は無いと思ってます。
しょせん仕事です。
私はいまでもトラブルが発生したときには「あー!試されてるわ~!」って大きな声で叫ぶようにしています。
これは心構えという話ではなく本当に声に出すことで少し自分の視点が変わります。
本気でゲームをしてる気分とでもいうのでしょうか?
お陰で最近はトラブルが起きても精神を削られることはほとんどなくなりました。
皆さんもトラブった時は是非叫んでみてください。
あー!試されてるわ~!
って。
心の平穏を保つために。
P.S.
もちろんトラブらないにこしたことはありません。
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