歌舞伎・演目覚書①『白浪五人男』
日本橋三越で『石田節子のきものでおでかけ』で紹介していた歌舞伎の名作『白浪五人男(しらなみごにんおとこ)』の衣裳の展示があったので、ちょっと、寄ってみた。五人の盗賊の衣裳を、三越所有と松竹所有を比較して見られる。個々の経歴を象徴するモチーフが、紫の縮緬にこれでもかと描かれていて、私は長唄を習っているので、弁天小僧菊之助のどデカい琵琶が面白かった。舞台ではプロフィールに合わせて、着付けも変えてあるそうで、松本幸四郎さんもオススメ。じっくり、見てみたい。
俗称なので、演目図鑑では『青砥稿花紅錦絵(あおとぞうしはなのにしきえ)』で探さないと見つからない。歌舞伎はテレビでも放送しているので、少し、演目を覚えたいなぁと思った。
で、弁天小僧菊之助がどのような悪事を働いたかというと、女装姿で、呉服屋さん相手に因縁をつける。こっそり紛れ込ませた自分の半襟を懐に戻して、呉服屋さんが「万引き犯だ❗️」と言わせるように仕向ける。昭和の時代で言えば「当たり屋」なのだ。
ちなみに、こうしたヒール役は衣裳のインパクト大で、石田節子さんは、他に吉三(きちさ)という名を持つ盗賊、三人の因縁を描いた『三人吉三(さんにんきちさ)』や、忠臣蔵に登場する悪役・斧定九郎(おのさだくろう)をあげていた。
日本橋三越の展示は7/17まで。
参考文献『石田節子のきものでおでかけ』石田節子、著(阪急コミュニケーションズ)
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