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失ってみて、わかる。七五三の明治神宮で見い出した伝統美
短い秋が、東京を過ぎていく。
昨年の香取神宮に続き、今年は明治神宮で七五三の着物をウォッチング。レンタルが充実している都心部は、王道の訪問着が主流。そんな和服姿以上に驚いたのは、インバウンドの人出だ。かつて、お正月明けの初出勤の日、上司に連れられて訪れた明治神宮は伊勢神宮や太宰府天満宮に劣らぬ観光地になってしまった。
だけれど、表参道には日本人が薦めたくなるような風情のある店はなく、鳥居の前にいる外国人が私には困っているように見えてしまう。
もっと、日本にしかないものを知ってもらいたい!
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一の鳥居をくぐり、観光客の群は砂利の上を進んでいく。奉納された菰樽(こもだる)の前に立ち、スマホでパシャリ。次の鳥居の前でもパシャリ。代々木方面から来た観光客と合流して「南神門」をくぐると、「御社殿」前広場を横切る白無垢姿の花嫁一行や晴れ着姿の子供達と出会う。観光客は長殿(ながでん・明治天皇巡行の絵の写しが壁に飾られている)の奥で、集合写真を撮る花嫁をじっくりと観賞。ローマやミラノを旅する日本人と似ていなくもない。
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夕刻が近付き、神社が空いてきたので、私も御祈祷を受けて帰ることにした。参拝に訪れていても、厄祓いは初体験。明治神宮には動画にあるような特別な行事の日でなくても、巫女舞がある。
厄祓いのご祈祷は神楽殿で行われる。
神楽殿の中はとても広くて、ご祈祷を受ける私たちが座る畳が百六十畳もある。
頭上の御簾と足元にある低い柵を挟んで数段が上り、板貼りのスペースが神楽舞の舞台だ。左右の障子から現れたふたりの巫女さんが「倭舞(やまとまい)」という明治神宮オリジナルの舞を奉納してくれる。衣裳もオリジナルなのか、巫女さんの腰から下に共布のトレーンが付いていた。
舞の中に段差を一段下がり、半身を返してまた、上るという振り付けがあった。巫女さんの白い足袋とトレーンの位置関係がビミョウに……。巫女さんは目元をピクッとさせた。
七五三の子供が退場になる程に激しく泣いても、広い畳の上を全力で駆け回っても、少しも集中力を切らさなかったのに、ああ! 後に知ったが、トレーン捌きは巫女舞の中でも難易度が高いそう。
ご祈祷を終え、神楽殿の外に出ると七五三の羽織りを着た男の子が数人、横切って行った。紺の羽織の子は紺のスニーカーを、黒の羽織の子は黒いスニーカーを履いている。なるほど、神前では履物を脱いでしまう。足袋や草履は、正装に含まれていないのだ。
夏の花火大会はどうだった?
足袋も草履も美しい。日本人に、日本の履物の美しさに触れて欲しくて、京都・一脇さんの「足袋の履き方」動画を添えさせて貰う事にした。一脇さんの木草履はつま先を浅く入れた方が、見栄えがするんです。
木草履の写真は次回。見てね!