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きもの本棚㉗七緒の『着物がすっきり「片づく」本』*未来のワードローブを探る


年末はおかたづけのシーズン。収納やリメイク方法の記事だけを集めた『七緒』のムック本。


面白かったのはワードローブを見直す記事。タイトルは「たんすの仕分け大作戦」。オススメです♪

さて、どんな内容かというと

着物スタイリストの秋月洋子さんと、『クローゼットの引き算』の著者・金子由紀子さんが、料理研究家のスヌ子こと、稲葉ゆきえさんの着物ワードローブの断捨離をアドバイス。落語が好きで、寄席を主催しているスヌ子さん。羽織の数は帯揚げ・帯締めとほぼ、同数。取材当時のスヌ子さんは同じコーデをヘビロテ気味……。スヌ子さんの「一歩先にある着姿」を探る企画なのでした!

ポイントは○×△の「仕分け」の後に「テイスト分析」がある点です。

例えば「町娘、お嬢様、奥様、かぶき者、武士。どの雰囲気に近い着物or帯なのか?」などなどの5問の(抽象的な)質問で、自分の好みと苦手を分析。「安心して着られて、周りからも褒められる○」のアイテムと「好きなのになぜだか、着られない△」のアイテムの違いをじっくりと把握した上で、○の着尺(or 帯)と△の帯(or 着尺)を組み合わせ、これまでに試した経験のないコーデを組むのです。

例えば、○の赤系統の縞の着物と△のコントラストの強い色彩の帯(お太鼓柄で、黒地に大きく孔雀の羽の刺繍)の組み合わせで生まれた「未来のコーデ」は、レセプションなどの特別な日に着たいそう。

私が思うに、赤がお好きなスヌ子さんは「鮮やか」カラーを避ける傾向があって、型染めの花柄も、ベースの黒(茎や葉)の上に、燻んだピンクと水色の花が散らしてあるといった塩梅。メリハリコーデは苦手分野? 

こうして、着られなかった着物や帯を好きになっただけでなく、中間色中心のスヌ子さんのコーデに別な表情がプラスされました。めでたし、めでたし。


さて。さっそく、私もやってみた。

私は質問項目をふたつ増やし、7つにしました。

  ①「連続柄」か「飛び柄」か?
  ②「草花柄」か「幾何学柄」か?

ちょっと、質問が具体的過ぎた(汗)。他の五問は本誌で、ご確認を!


分析して比較した結果、スヌ子さんのワードローブには着物にも帯にも、ヨーロッパ風の柄があったが、私には帯にしかなく、雰囲気は満遍なく揃えられているが、私には傾奇者(かぶきもの)を気嫌いする傾向があって柄のモチーフは見事に「直線(博多織含む)」「ドット(七宝含む)」「唐草」の三種類で構成されていて、傾いた色合わせや、日本画で見るようなモチーフの柄がない。

診断結果の文字を眺めることしばし……。

いつから、こうなった? 

着付けを再開してまだ、二年。これから、これから! 三年目に向けてワードローブを再検討したいが、△が手元にはないのでスヌ子さんのような発見がないのです。

そこで、目にとまったのが羽織。

私の羽織は帯や着尺の柄に比べれば、傾いている。こげ茶の羽織の柄は蔦だが、くっついた葉が大きい。もう一枚は「桶搾り」をやっている織元で、紫の濃淡がぼかしになって、袖が付くと大柄の縞になる。

なるほど、愛用している羽織のような柄の着尺を探して、幾何学柄の帯に組み合わせれば良いのでは? 三年目のテーマは《日本画風》と《傾奇者》に決めました。

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