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引き染め体験で、ベストマッチな帯揚げを手に入れる

三連休中に「お江戸新宿・紺屋めぐり」で、下落合のふじや染め工房さんにお邪魔してきました。下落合は西武新宿線で高田馬場の次の駅。神田川沿いの静かな街です。体験したのは、帯揚げの引き染め。陶器の修理で、金継ぎの経験ならありますが、着物は初です。

さてさて、体験は職人さんとのマンツーマンです。下地を染めた状態(ふのりで張りができ、白生地がオフホワイトになっていた)で十種類前後の帯揚げのご用意がありました。紗綾形(さやがた)の地紋や金糸の七宝(しっぽう)の刺繍も魅力的でしたが、最初に目に入った鳥の羽根に似たシンプルな柄を選びました。

使う気満々の私は色選びに執念を燃やし、二代目ご主人のお父さんに持参した反端(たんばた)を見せて、色見本の中から、馴染む色を選んで貰いました。ですが、これはあくまで、目標の色。バケツの水に染料をちょいちょいっと混ぜて、見本用の絹地に一滴垂らし、ダルマストーブで炙って乾燥させて、何度も、何度も、やり直し。色見本と比較するのですが、もはや、感覚の世界。簡単には真似できないことがわかり、これが得意という人材を失ってしまっては、大変です。

アナログで機能的な道具(全て、天然素材)を使って生地を張ったら、スタンバイ完了。反端に並んだ穴の意味を初めて、知りました。親指の付け根にあたるまで、刷毛をしっかりと握って、左手にぶら下げたバケツの縁で余分な染料をこぎ落とし、それと同時に指先で生地を押さえていざ、出陣。先に、木綿で練習します。

ああ! モタモタして、ムラが…。手早くヤルのが、成功の秘訣なんですって。着付けと同じですね。生地に染料を埋め込むイメージで、最後に表裏をムラなく伸ばします。刷毛が絹に触れる感触で、心にも、何かが沁みていくような。着物との距離が少し、縮まったような。中々に基調な体験でした。

ベージュです。和名を教えて貰ったのになぁ〜

染料が乾いたら、色を定着させるために蒸して、水洗いして、送ってくださるそうです。地機体験などとは違って、創った作品は即、コーデに使えるのも魅力ですね!

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