見出し画像

【詩】宇宙

望遠鏡で 月を見るのが怖かった
手を伸ばせば吸い込まれそうで
夜になると 私の中からしろい手が
わたしをつかんで放りあげるのだ
くろい未曾有の世界に 上も下も背中越しも何もかも
かかえきれないエトセトラ
宇宙の果てで少女が 折り紙で鎖をつくるよ
最大幅の紙と最小幅の紙と
ふたつはどこかでくっつくの
どちらも互いに吸い込むように
ふわふわした空間から足に堅いものが当たると
ちいさな詩がてのひらに 埋まっていた
おかげで眠れず遅刻した

いいなと思ったら応援しよう!