イチョウな僕の〇〇
いぬうた市の、きゅん君はある場所にある特徴があります。
それはですね。ぷぷぷぷぷ。
それはおちりの模様がイチョウの葉っぱをしているのです。
全体的に黒い毛並みの、きゅん君ですが、
おちりは白くイチョウの葉っぱ模様なのです。
「えっ、そうなの?そうなの?僕のおちりってイチョウ模様なの?知らなかったなあ。だいたい僕、自分のおちりを見たことないからなあ。で、イチョウって何?」
あっ、きゅん君、イチョウをご存知ない?
だから、きゅん君のおちりの模様がそのイチョウですよ。
「マジかあ。じゃあ僕のおちりを見るしかないか」
と言って、自分のおちりを見るべく、
首をぐいっと、おちりの方に曲げます。
しかしやっぱり上手く見れません。
見ようとすればするほど、きゅん君のおちりは逃げます。
結果、「待てー!僕のおちりー!」
と、くるくる回転し始めたではありませんか。
それでも見れなくて、そのうちに疲れて、
ばたんきゅーをした、きゅん君に朗報がありますよ。
たぶん、いぬうた公園に行けば、
イチョウの木がありますから、
今の季節、イチョウの葉っぱもたくさん落ちていますよ。
だから今度の散歩の時、ママに、
いぬうた公園に連れてきてもらえば、
きっとイチョウの葉っぱが見れますし、
すると葉っぱの形がどんなだかが分かりますよ。
「何だよ。早く言ってよー。僕、くるくる回って疲れちゃったじゃないか」
と、ぼやいた、きゅん君ですが、
そうこうしているうちに翌日となり、
朝の散歩の時間がやって来ました。
そして本日ママが選んだ散歩コースはどうやら、
いぬうた公園のようです。
それが向かう方向から分かって、
きゅん君思わず、「やったー!」と声を上げました。
「やったー!僕のおちり模様が見れるぞー!」と。
隣で歩いている、ぐーちゃんは、ハテナ?
と不思議な顔をしています。
そんな、ぐーちゃんがひと通り訳を説明すると、
ぐーちゃんが納得して言いました。
「そういえば、きゅんのおちりさんって不思議なお模様をしていると思っていたけど、それっておイチョウだったのね。でも、ぐーもおイチョウの葉っぱさん、よく分からないわ」
それは行けば分かるよ。
と、きゅん君、言葉を返していると、
例の、いぬうた公園に着いたようです。
が、しかし、行けばすぐにどれがイチョウの葉っぱか、
分かると思ったのですが、
他にも大量の葉っぱが落ちているので、
どれがイチョウか分からないふたりです。
困った、きゅん君、ちょっと考えて、
ぐーちゃんにこう頼みました。
「ぐー、僕のおちりとおんなじ模様の葉っぱを見つけてくれ?それがまさしくイチョウの葉っぱだ」と。
「分かったわ。きゅん」
そう答えた、ぐーちゃん、
「えーとどれかしらあ?あの黄色い葉っぱさんがそうかしら?いや、ちょっと違うわね。それともあの葉っぱさんかなあ?」
と、何度も何度も、きゅん君のおちりを間近でまじまじと凝視して、
そこいらに落ちている葉っぱと見比べて、
はたから見ると、それはそれは異様な光景な、
秋の一コマでありました。