雨にも、ぐーにも負けず
いぬうた市にいよいよ雨の季節、
いわゆる梅雨がやって来ようとしています。
雨が降ると、日常の散歩も、大好きなドッグランに行くのも、
何かと支障をきたす、きゅん君と、ぐーちゃんなので、
それぞれに思うところがあるようです。
まずは、きゅん君、梅雨を迎えるにあたって、
今はどのようなお気持ちですか?
「それはどうもこうもなくユウウツな気分です。いや、梅雨だけに、ユウツユな気分かな」
それは思わず下手なダジャレがこぼれるくらい、
調子が悪いということでよろしいでしょうか?
「まあ、そうゆうことかな」
と、黒い毛に囲まれた顔からは、よく分かりませんが、
たぶん恥ずかしさで、
真っ赤になっているであろう、きゅん君です。
この、きゅん君を受けて、ぐーちゃんはどうお思いですか?
「ユウツユはもうちょっとひねる余地があるわ。例えば、モウツユっていうのは、どう?きゅんは、もうすぐ梅雨さんだから、ユウウツなんでしょ。だからモウツユが、ぐーはいいと思うわ」
と、まさかの、きゅん君のダジャレの、
添削から入った、ぐーちゃんです。
「でも正直、ぐーには、きゅんの気持ちが分からないわ。何で梅雨さんが来るとユウウツになるのか?だって梅雨さんは梅雨さんで楽しいことがいっぱいあるじゃない」
ほほう、そもそも、ぐーちゃんは梅雨が、
嫌いじゃないんですね?
「当たり前よ。きゅんみたいな凡犬は、ただいつものようにお散歩が行けないとか、ドッグランで思うように走れないとか、そんな風にしか考えられないみたいですけど、ぐーは違うわ。梅雨さんは梅雨さんの時にしか味わえない魅力があるものよ。それを発見するのが、まず楽しいわ」
何だか、ここまでだと、ぐーちゃんばかりが、
カッコいい感じになっていますね。
きゅん君も、そう思ったようで、
ここで反撃を試みる、きゅん君であります。
「そうは言うけど、ぐー。具体的に梅雨の魅力って何だよ?もしかしていい加減に言っているだけじゃないのか?」
それには、ぐーちゃん、返す刀で、ばっさりと一刀両断です。
「それは単なる、きゅんのいちゃもんに過ぎないわね。上げれば、いくらでもあるわ。例えば、カラフルなレインコートさんをいっぱい着れるのだって、梅雨さんの魅力だし、飼い主が雨さんでお散歩に出るのをイヤがって、おウチにいっぱいいたりしても、窓辺で雨音を音楽と捉えて、奏でるリズムやメロディを楽しむことだって、魅力のひとつだし、それから、それから」
と、まだまだいろいろな梅雨の魅力が出てきそうな、
ぐーちゃんを、「もう、分かったよ」
と、制止する、きゅん君でありました。
「分かった。分かった。僕も雨に負けないように、がんばるよ」
そう言って、ぐーちゃんにギブアップする、
きゅん君ですが、
「やっぱり、きゅんは分かってないわ。その考え方がだいたい違うのよ。雨さんに負けないようにするだなんて、別に勝つ必要ないじゃない。雨さんとは、ただ仲良くすればいいのよ」
と、最後まで、コテンパンにされて、
雨にも、ぐーちゃんにも、負けている、きゅん君なのでした。