中古車屋に着き、シルビアの元へ急ぎ足で向かった。 「良かった。 まだあった。」 安堵と同時に思わず涙目になる。 車の事であんな夢を見るのは初めてだったからだ。 そして僕はこの子(シルビア)を買うことを決めた。 「本当にこの車買うんですか? こんなにボロボロなのに?」 どうやら店員はこんな車買わない方が良いと思っているらしい。 自分の店の在庫なのになでそんなこと思うんだろうか? 「この子に運命を感じたから買います。」 そう言って僕はハンコと頭金20万を渡した。 整
本来はロードスターを見に来たのだが、思ってたのとなんか違い帰ろうとした時に巡り合ったこのシルビア。 車というものは不思議なもので“運命の巡り合わせ”と言うのはあながち間違っていないのかもしれない。 だが、僕はこの時はこのシルビアを買うつもりはなかった。 ボロボロだしNAエンジン搭載車でパワーはないし、本当はロードスター買おうと思ってたし。 「他のオーナーに買ってもらえよ。」 そうシルビアに告げその日は帰った。 だが、その夜不思議な夢を見た。 解体所の中であのシルビアが
必死に叫び声を上げていたシルビア。 その声に釣られて行った僕は改めてシルビアの様子を見た。 シルビアから安堵と緊張の入り混じった感覚が伝わる。 ホイールは、フロントに不自然なくらい細くて小さい15インチの「RAYZのTE 37」。 リアには17インチの「WORKメッシュ」が装着されていた。 (なぜ前後で違うホイールが…?) そう感じる方もいるだろうが、この手の車にはよくあることだ。 外観は少しくたびれているが、状態は綺麗な方だと思う。 前から見れば…。 そう問題は
今のシルビアと出会ったのは寂れた中古車屋でのことだった。 今思うと、そこは絶対いわくつきな店舗だったと思う。 何故ならバンパーの色が微妙に違うフォレスターや、妙に安すぎる年式の新しいアルファード。 他にも明らかに激しい扱い方をされたロードスターなど色々な在庫車が販売してあった。 そのいわくつきな在庫車の中1台にあったこのシルビア。 実は最初この子を買う気は全然なかった。 とゆうかあるって気づかなかった。 だって端っこに置いてあったんだもの。 この子に気づいたきっかけは声
ビデオの中で勢いよくドリフトをキメるシルビア。 物心ついた時から車が好きだったのはきっとその映像のおかげだろう。 当時の幼い僕は 「シルビア! シルビア好き! 絶対運転する!」 と言っていた。 純粋にこの車に惚れ込み、ゲームグランツーリスもでも「シルビア」を選んでそればっかりで走っていた。 その後も「イニシャルD」をアニメは全話見て、漫画も全巻読破した。 月日は流れ18歳のある日。 俺はあるシルビアと出会った。